文人暴食

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  • サイズ B6判/ページ数 431p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784838713905
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

内容説明

偏食・奇食・乱食作家論。名作の陰に食卓あり。

目次

小泉八雲―一椀に白魚の泣き声を聞く
坪内逍遙―牛鍋は不良のはじまり
二葉亭四迷―快男児、酒を飲めず
伊藤左千夫―牛乳屋茶人
南方熊楠―山奥の怪人はなにを食うか
斎藤緑雨―筆は一本、箸は二本
徳冨蘆花―一膳の赤飯
国木田独歩―牛肉か馬鈴薯か
幸徳秋水―獄中で刺身
田山花袋―うどんと蒲団〔ほか〕

著者等紹介

嵐山光三郎[アラシヤマコウザブロウ]
1942年東京生まれ。雑誌編集者を経て作家に。88年『素人庖丁記』で講談社エッセイ賞。2000年『芭蕉の誘惑』でJTB紀行文学大賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

30
再読になる。以前は斜め読み、して今回は。満腹を通り越しておくびが出てしまった(失礼)選ばれし37人は筆者の独断だろが、文士という一くくりにすると十分に普遍化できる内容と言えるかもしれない。人間って否応なく外観から入って、次に作風で先入感を植え付ける為、え~っという方もいたりして。まぁ、熊楠・寒村・放哉金子光春・足穂・文六辺りは些か既知の範囲内。左千夫を評して「牛糞を肥やしとして『野菊の花』が咲く」のは言葉の見事なあや。全般に筆者の的確過ぎるほどの表現が散りばめられ、満漢全席状態・・おいしゅうございました。2016/11/03

Ted

7
'02年9月刊。○『文人悪食』の続編で、前編も併せて著者が10年間を費やして書かれた労作だけあって読み応えがある。定番といってよい漱石・鴎外・芥川などを取り上げた前著に比べると知名度がやや落ちる作家が取り上げられているので、自分にとっては初めて知る作家も多く新鮮であった。2014/12/23

袖崎いたる

4
食にこだわる人々、それも文の立つ人のそれ。わろける。南方熊楠は水木しげるの猫楠でも描かれているような吐く名人で、平塚らいてうは男を食らい舌鼓。細部のエピソードがじつに豊穣。いわゆる歳下の若い男をさしていう「若いツバメ」を言い出したのがらいてうを批判した新妻莞によるのだとか、その点だけ抜いてもオモロい。2022/06/17

芳樹

4
『文人悪食』に引き続いて読んだ。「悪食」同様に多くの文士の「食」と「生き方」が詳しく書かれていて面白かった。単体でも楽しめるが「悪食」と併せて読むと縦横の関係を絡めて読むことが出来て更に楽しめると思う。好きな文士については読本なども読むと、新しい見方で読めて面白い。所々に主観が入っていると感じる部分もあったが、膨大な資料から得た情報を使って書き出された文士の姿は何度読んでも楽しめる。2014/10/02

秋津

3
食にまつわる文人達のエピソードをまとめた一冊。「蕗の薹(註 ふきのとう)の舌を逃げゆくにがさかな」という味覚の一瞬を捉えた句を残した高浜虚子、自尊心と生活のはざまで苦悶し、酒の毒に没した若山牧水、没後霊前に供えられた供物に「食欲をもよおした」と感想を残された折口信夫、獄中で食べた汁の味が忘れらず、再現しようと試みるも叶わず、妻に「一度監獄に入ってみろ」と言い放った荒畑寒村等々、一癖も二癖もある話が次々と繰り広げられます。食べる、という行為が単に本能だけではなく、人間の営みを問うているようで良い感じ。2013/06/22

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