内容説明
プレヴェールの詩はまるで物語だ。涙をいっぱいうかべて家を出ていった青い目の鯨。鳥の大好きな燈台守。浮気な恋人の葬式を夢見る恋する娘。飢えて死ぬロバ。退屈で死ぬ王様。血まみれの地球。人生の大事なこと、丸ごとたっぷりここにある。
目次
詩集『ことば』より
詩集『見世物』より
詩集『雨とお天気』より
詩集『ものがたり』より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
emi
38
詩人であり映画監督でもあった、ジャック・プレヴェールの詩集。特に詩に詳しくなくても、情景も気持ちも手に取るように共感できる。兵役についた経験もあり、世の不条理なことを軽やかに歌うように詩で訴えたプレヴェール。多くのシニカルで現実主義的な詩の中に、恋の詩や倦怠期の妻の詩や屠殺される動物の目から見た詩などがまざって、その多様性が面白かった。「夜のパリ」はロマンチックな詩で、嫌味がなくて好き。小笠原豊樹さん訳のこの詩集は、装幀も小粋で素敵なのに残念ながら絶版。どこかで出会ったらぜひ手に入れたい。2015/05/06
ペグ
36
プレヴェールの詩は予備知識も身構えもいりません。市井の人々や小さな生き物を描いて、その時々で形を変え色を変える。時々思い出してページを開く。プレヴェールはいつも静かに待っていてくれます。ロマンチックな(夜のパリ)ユーモラスな(葬式に行くかたつむりの唄)等心に残りました。詩集は本棚ではなく、手元においておきたい。気がむいた時、何時でも本を開けるように〜。2016/10/06
マリリン
29
シャンソン「枯葉」の作詞者という事で興味を持って手にした。一番気に入ったのは『セーヌ通り』、美しくなくともシャンソンの歌声が聞こえてくるような情景。詩集『ものがたり』より、の作品は、駝鳥・羚羊の生活より・キリンのオペラ・島の馬・檻の中の若いライオン...と生活の香りが漂う感がよい。「バルバラ」や「ひまわり」は、楽曲名にあるが関連を調べてみたい。 シャンソン歌手の伴奏をしていた当時を懐かしく思い出し、当時の楽譜を久しぶりに開いてみた。2020/03/15
夏
12
プレヴェールの詩は「枯葉」しか知らなかったが、ここに収まっている詩たちはあまり枯葉のようなロマンチックさや切なさを感じられるものは少ないように感じた。ここに収められているものはどちらかというと残虐な、抗いがたい運命に対する風刺的なものが多い。ただプレヴェールの詩にはとかく人を惹きつけるものがある。この詩集も何度も読み返したいと思うし、他の詩集も読んでみたいと思った。いつかは原本にも挑戦したい。2019/12/20
よしひろ
6
残酷な世界のなかにも、美しく、すばらしい瞬間はあり、それは誰にも否定できないし、暗い闇のなかでも強く光を放っている。そういうことを歌うように書いた詩が素敵だ。2015/06/06
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- 和書
- 今宵、銀河を杯にして
