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天のろくろ

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784835442211
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

青年オアの悩みは、自分が見た夢が現実になってしまうこと。そんな彼が訪ねた精神科医のヘイバー博士は彼の能力を利用して世界を改変しようとする…。『ゲド戦記』のル=グウィンによる「夢」と「現実」をテーマにした近未来SF。

著者等紹介

ル=グウィン,アーシュラ・K.[ルグウィン,アーシュラK.][Le Guin,Ursula K.]
1929年生まれ。アメリカ、カリフォルニア州出身。ヒューゴー賞とネビュラ賞を受賞するなどその独特のSF世界にファンが多い。また、本格ファンタジーの書き手としても世界的に知名度が高い。さらに、フェミニズムやジェンダーをテーマにしていることでも知られる。そのほか、エッセイ、評論など多方面で高い評価を受けている

脇明子[ワキアキコ]
1948年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修了(比較文学)。ノートルダム清心女子大学教授、「岡山子どもの本の会」代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tom

15
夢の中で、意図しないまま世界を改変してしまう男の物語。外見は素朴、内心は権力志向という医者にそそのかされ、世界を改変し、そのたびに世界は苦しむことになるが・・・、という物語。図書館散歩をしていて、グウィンの名前が目に入り、それだけの理由で借りてきた。これまでグウィンの書いた本を面白いと思ったことは一度もない。ところがこの本、読み進めるにつれて面白さが増していき、どこに向かっていくのかと、期待感いっぱい、驚きいっぱいででページをめくる。グウィンはすごい人だったのだ。読みたい著者が増えてしまった。困った。2021/08/11

12
MOZUに出てきた「オメラスから歩み去る人々」のせいで風評被害甚だしかったル・グゥインおばあちゃんの本をリハビリのため真顔で読み直す。人口爆発を起こした世界で、見た夢の通りに過去を改変してしまう能力をもった青年のお話。このお話は長編だけど短編でさっくりまとめたほうがあってるかなあ。2015/02/26

**くま**

10
スティーヴン・キングのオススメ本。「ゲド戦記」で有名な作家さんのSF。主人公が睡眠中に見た夢がなぜか次々と現実化。彼を担当した医師は基本的には善人だけどやたら強引で、自分の理想とする世界を作り上げるために主人公を利用する。が、無意識で見る夢を完全にコントロールすることは難しく、思いがけない展開に・・・。落ち着いた文章、キャラも比較的穏やかな善人ばかりなため、どうしても地味な印象。医療等の説明も意外と長い。でも優しいキャラと作風が読むのが心地よくて、癒されます。リアルで魅力的なヒロインも女性作家ならでは。2014/10/09

roughfractus02

9
嫌いな叔母がいなくなればいいと思って寝ると叔母が死ぬ夢を見、目覚めると叔母がいない現実になっている。荘子の「天鈞」を表題とし「胡蝶の夢」をSF化した本書は、現実になる夢を見て恐れる男、男の能力を使って現実を自分の欲望で満たす医者、その暴走を阻止する女弁護士の3者で展開する。意識は無意識に影響し、無意識は意識に映る現実を変える。が、そんな堂々巡りの世界に現れる異星人は男に、自分の寝床は「ドコデモ、ナイデス」(no where/now here)と呪文のように呟き、区切らなければ夢でも現実でもないと仄めかす。2024/01/15

ぐるぐる244

8
図書館本 夢が現実になる、あるいは現実が夢なのか、と足元が崩れていくような感じはPKDっぽい。「リアル・トリップ」(風の十二方位)を思い出し、「風の十二方位」を探し出して再読。後半結構急いで読んだので再読したい。宇宙人のお店でレコード買うところ?とか。2018/02/22

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