感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yn1951jp
35
ベルメールは生涯子どものままで人形遊びをしていたのだろう。少し卑猥で残酷な人形遊び。「侮辱の数々が彼女の服を剥ぎとり、彼女を憐れっぽくする―つまり欲望をそそるものにする。よしきれいだ。」ベルメールが人形の写真につけたエリュアールの詩。澁澤は「サドの小説の女主人公を髣髴させる。まがまがしい人形遍歴譚とでもいった観念を呼びおこす」、「シュルレアリスムはよくよく性的な妄執と深い関係がある」といい、「マン・レイだけがシュルレアリスムの写真家ではない」と人形作家としてのみならず、写真家としてのベルメールを評価する。2015/01/11
MOMO
1
切ないまでにシュールで、グロテスクで、美しい。そして、見たものにありとあらゆるイマジネーションを引き起こすパワーを持っていると思い知らされる写真集でした。これは、この写真集が出たあとに発表された猟奇殺人をあつかったミステリーに、とんでもない影響を与えたのは確実です。彼が描き出した球体間接人形だからこそ可能なポージングを、実際の人間の肢体で行おうとしたら、その術は1つですもの2013/07/06