出版社内容情報
植物の葉や花びら、実でつくる8つの草笛を題材にした、短編童話集です。子どもたちが草笛をならすと、音色にさそわれるように、動物があらわれます。カラスノエンドウの笛の音をききつけたのは、豆ごはんの豆を集める、野ねずみの家族。ささ笛であらわれたのは、たぬきのしょうゆ屋さん。スズメノテッポウの笛から、音楽隊がうまれます。植物の音色がとりもつ、子どもたちと野のいきものとの、愉快で、あたたかな、交流の物語。
内容説明
草花の音色がつれてきたのは、野原にくらすゆかいな友だち。ネギ、カラスノエンドウ、ささの葉、さくらの花びら…8種の植物の笛を題材にした、8つのちいさなおはなし。読んであげるなら5才から。自分で読むなら小学校初級から大人まで。
著者等紹介
林原玉枝[ハヤシバラタマエ]
1948年、広島県尾道市生まれ。幼少期は、ゆたかな自然環境の中で、雑草や小さな生きものたちにふれて育つ。現在もそれら動植物の尽きない魅力のとりこになっている。1991年に、絵本『おばあさんのすーぷ』(女子パウロ会)で、第1回けんぶち絵本の里大賞を受賞
竹上妙[タケガミタエ]
1986年、東京都生まれ。版画家、画家。和光大学表現学部芸術学科卒業。「見たら見られた」をテーマに、動物や昆虫をおもなモチーフとした作品を発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひ ほ
31
先日新聞に紹介されていた一冊。いろんな草笛が出てきてその音を聞いたいろんな動物が一緒に踊ったりさえずったりと楽しい一冊でした。2022/06/14
なななお
28
草笛…昔は吹いたことあります。今どきの子どもは、野草のこんな遊び、したことないでしょうね…。お話を読んで「やってみよう!」って思ってくれたら、林原さんの本望でしょうね。こんなにも草笛の種類があるのね…と思いました。どのお話にも素敵な草笛が出てくるのですが、少し切ない様な『どんぐりぶえ ほーっ』が、お気に入り。あっちゃんはどんぐりぶえを作って、「ホーッ」と鳴らしました。するととても上手な「ホーッ」という音が頭上から聞こえました。見上げるとアオバズクがいました。赤ちゃんの時から知っているキロンでした…2022/08/03
みつばちい
25
子どもたちが鳴らす草笛を聞いて,動物たちがあつまってくる短いお話が八つ。ねぎ、花びら,カラスノエンドウ、笹,ホトケノザ、どんぐり、スズメノテッポウ、楠葉っぱとこんなにも色々な草笛があるのか!と驚いた。豊かな自然の中で育ったという著者ならではの作品。竹上妙さんののびやかな絵がお話によくあっててのびのびしていた。最後のお話の「ぐるっぼうな気分」というのが好き。楠の歯を丸めた笛の音を聞いた鳩の言葉。なんだか泣きたくなる、嬉しいような懐かしいような誰かにありがとうといいたくなる気持ちのことだと。なんか、共感。2023/08/11
mntmt
12
さらりとしていて、味わいのあるお話。挿絵もとても良い。2022/05/28
遠い日
9
林原玉枝さんの世界は、いつも明るくてやさしい。草花の音色に彩られた8つのお話。草笛、花びら笛、どんぐり笛などの植物由来の遊びで出る音。田舎育ちなのに行くつかしかやったことがないなぁ。音に集まってくる生き物たちとの交歓。生き生きと自然の中で楽しむこと。読むうち、ぜったいやってみたくなること請け合い。竹上妙さんの挿絵はいつものパワフルでエネルギッシュな勢いを抑え、物語にぴったりのキュートなものになっています。2022/07/20