内容説明
中国の歴史と万里の長城をやさしく解説。
著者等紹介
加古里子[カコサトシ]
1926年、福井県に生まれる。1948年、東京大学工学部卒業。化学工業会社勤務のかたわら、社会福祉運動、児童教育文化活動に従事。1973年退職後、民間テレビニュースキャスター、東京大学・横浜国立大学などの講師を務める。その間、児童行動と童戯の調査研究、絵本・紙芝居・演劇の創作をおこない、また、パキスタン、中国などで識字運動、障害児教育の指導や、アメリカ、カナダ、台湾の現地補習校、幼稚園などで幼児教育、児童指導をおこなった
常嘉煌[ジョウカコウ]
1950年、中国の敦煌莫高窟で生まれる。敦煌石窟の保護に生涯をささげた父、常書鴻(国立敦煌芸術研究院名誉院長)と、画家である母、李承仙から多大な影響をうけた。7歳から水墨画と水彩画を、17歳で油絵を学ぶ。中国西北師範大学油画学部を卒業後、国家文物局勤務。1984年、留学のために来日、86年から2年間、東京藝術大学の平山郁夫研究室において日本画を学び、奈良法隆寺障壁画の制作に参加する。その後、シルクロード、ユーラシア大陸をスケッチ旅行する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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kaizen@名古屋de朝活読書会
81
万里の長城に関連する中国の歴史をまとめたもの。春秋時代は孔子がまとめた魯国の年代記録「春秋」。戦国時代は劉向かが編集した「戦国策」。二つの時代における各国の城壁が元。秦の始皇帝が長城に。孟姜女の伝説。 シルクロード、五胡十六国:胡族と漢族。隋の煬帝の補強。元。明朝などなど。絵は、かこさとし・常嘉煌。2013/10/05
おはなし会 芽ぶっく
21
万里の長城がどのようにして出来たのか、更にその背景でもある中国史と共に語られている絵本。中国史はテストで出た人物と三国志くらいしか覚えていなかったので、興味深く時間をかけて読みました。実在する万里の長城を歩いた人たち「長城探検家」が所々でクイズを出しています。世界最古の文明の1つをもつ中国(三国志の頃、日本は卑弥呼ですものね)大陸の大きさと共に歴史の深さを感じます。2020/11/12
なにょう
20
★万里の長城、つまり中国の歴史について。地球の成り立ちから現在の世界遺産登録まで。長城は長い壁である。異民族の侵入を防ぐために作られた。しかし、辺境の人々は豊かな中原(壁の南側)を目指し、壁を越えようとした。ここに中原と北方異民族の交流が生まれた。★中国人は漢民族の栄華極まると唐の時代を回顧するが、唐の王室も北方の民族が由来であるらしい。★いずれにせよ、長城はその大きな姿で老百姓を励まし続ける。★これは大人のための絵本。2015/11/07
なつのふね
16
かこさとしさんが実に30年越しに制作したスケールの大きい、実際のサイズも大きい絵本。万里の長城の誕生から変遷、そして保護、保存について美しく分かりやすい絵と ときどき箸休め的にクイズなども入れながら、工夫を凝らして説明されている。そして東京芸大で学んだ常 嘉煌氏とともにイラストを描いているのも素晴らしい。制作の目的はこの長城が多民族との共存のシンボルということ、世界中の民族や地域の紛争の解決のヒントとして読者に考えてもらうこと。偉大なかこさんらしい作品。この本は中国史を学び直すのに常に側に置きたい。➡2020/01/06
ジュースの素
16
万里の長城を歴史から詳しく説明した、非常に詳しい絵本。大人が読んでもかなり難しい。私たちは長城を単に北からの敵を防ぐ為の長い城壁として習い、見て来たが、西の国々が城壁に沿って交易を行う指標となっていた事を強く認識した。そう言う場面でも大きな役割を果たした。壮大な構想と工事を思うと、中国の偉大さと共に苦悩の大きさをつくづく感じる。2019/03/23
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