内容説明
大事なのはシュートして得点をかせぐことだけじゃない。「失敗したシュートを次にどうやって決めるかだ」。カナダのとある町に住むショーンと車いすに乗った転校生デーヴィッド。バスケットボールが好きな二人の物語。
著者等紹介
ウォルターズ,エリック[ウォルターズ,エリック][Walters,Eric]
1957年生まれのカナダ人。小学校の教師をしながら小説を書きはじめて、1992年に初めての作品を出版、作家となる。これまでに児童文学やヤングアダルト向けの小説を40冊近く出し、カナダで数々の児童文学賞を受賞している
小梨直[コナシナオ]
1958年、東京生まれ。2000年から長野県北安曇郡在住
深川直美[フカガワナオミ]
神戸市出身。武蔵野美術大学中退後、グラフィックデザイナーを経てイラストレーターに。イラスト以外に漫画やコラムなども執筆、雑誌・書籍・新聞等を中心に活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
66
YA。バスケ好きにおすすめ▽カナダに住む8年生(中2)のショーンは去年、不良たちとつるみ停学寸前までいった。今年は深く反省し、新しい気持ちでバスケの選手に選ばれたいと思っている。ところが車椅子に乗った転校生のデーヴィッドに出会い、ショーンは振り回される。デーヴィッドは車椅子に乗っているのに殴りかかってくるし、階段も飛び降りるし、ショーン以上にシュートが上手くて活動的だった。▽デーヴィッドが何かやらかすたびに、ドキドキしながら読んだ。とても面白かった。良本。2020/05/12
パスティル
23
バスケと障害受容。少年の葛藤がリアルに描かれていた。ショーンにとって車椅子体験は貴重な体験でした。デーヴィットの名台詞。大事なのはシュートして得点をかせぐことだけじゃない。失敗したシュートを次にどうやって決めるかだ。バスケをやる子供達に教えたいです。2015/08/01
つきみや
17
ほえ〜……デーヴィットとショーンの友情がすごい。 こういうのを親友って言うんだろうな。 やっぱり障がい者の人に優しくするってことは当たり前のことで、なにも考えないで「いいこと」だと認識してるけれど、 やっぱり同情って嫌なんだよなぁ。 思いやりから来てるものだったらいいけど、なんか自分優しい!!!すごい!!!みたいな人はたぶんデーヴィットと同じ立場になったら受け付けないと思う。 車椅子視点の章はとても興味深かった。 車椅子に乗ってる人はみんな楽々漕いでるように見えるけど…… やっぱり腕の筋肉使うよね。2020/10/16
Bridge
10
長いこと読みたかった本。期待以上の佳作。人を見かけで判断しない主人公の素直さが、卑屈になっていた転校生の心を開く。それが物語の中盤で明らかに。そこからは二人の心の動きから目が離せない。2014/11/02
ろくべえ
9
★★★★★ 中学〜 中2へのブックトーク選書で。中高でバスケに夢中だった長男の姿を思い出しつつ一気に読了。ショーンとデーヴィッドは元より登場人物が皆、個性的、魅力的でグイグイ引き込まれた。デーヴィッドの車椅子体験の1日には自分が店の店員やエレベーターのおばさん、すれ違う人々の一員のような気がしてショックだった。当事者や体験者にしかわからない気持ち、視点をいわゆる“障害理解”というような教育的空気ではなくこの本は沢山教えてくれた。読後感爽快。でもおばさんとしてはスコットのその後が心配だった^^;2016/05/14