出版社内容情報
犬のサヨナラを追って森へ入った少年トンカチは、奇妙な連中に出会います。おかしな事件が連続するユーモア溢れるファンタジー。(S-4)
<読んであげるなら>---
<自分で読むなら>小学中学年から
内容説明
犬のサヨナラを追って森の奥へはいっていった少年、トンカチは、「あねもね館」に住む「将軍」とシャム猫のヨジゲン、あらいぐまのトマトなどの奇妙な連中に出会います。みんな親切にサヨナラをさがしてくれるのですが、おかしな事件に次々とまきこまれて…。ユーモアあふれるファンタジーです。小学校中級以上。
著者等紹介
舟崎克彦[フナザキヨシヒコ]
1945年、東京に生まれた。学習院大学卒業
舟崎靖子[フナザキヤスコ]
1944年、神奈川県に生まれた。川村学園女子短期大学卒業。「うたう足の歌」でレコード大賞童謡賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
29
回数不明の愛読書。世界から花が消え、トンカチは、花の好きなサクラちゃんのために、愛犬サヨナラとともに花を探して森の中へ分け入っていく。森の中でサヨナラとはぐれたトンカチは姓名判断にこる水たまりの助言を受けて、あねもね館に住む世界中の花を集める将軍とちょっとヘンな仲間たちを訪ねる。日々の騒ぎでサヨナラの捜索が進まぬ中、ついにトンカチは禁断の森に行くことを決意する・・・こんなに薄いのに、希望と詩情と笑いとナンセンスがぎゅっと詰まっている名著。出てくるキャラがみな愛しくおかしくて、読み返す度にうれしくなります。2019/05/09
ブラックティー
6
なんというか、言葉遊びの非常に上手い作者だ。森の向こうの世界で出会う者たちの会話ときたら、主人公と一緒にこちらまでいつの間にかけむにまかれてしまう。そして、それが楽しい。登場人(?)物たちのネーミングセンスもなかなかで、水たまりの「ジャボチンスキー」なんて最高だと思う。2012/10/11
おおら
2
最終章の「周りのみんなが幸福になれば、自分も幸福になるんだ」の言葉が全て。物語を通じて、仲間と助け合いながら問題を解決する動物たちが愛おしい。大人になって児童書を読むと、哲学書を読んだような気持ちになった。将軍は花を探し続けていたが、花って愛情のことかな。偶然の出会いの中で球根が花を咲かせ、将軍はクシャミを止めることができた。誰でも球根=無意識の愛情を持ってて、花を咲かせるタイミングを待ってると思うと心が温かくなった。2016/03/06
だけど松本
1
ストーリーは普通の児童書って感じかな。トマトかわいい。2016/06/25
真青な色紙
1
主人公の犬「サヨナラ」が森の中で迷子になる。彼を追いかけて森を深く入っていくと、見たことも無い花一面の景色が広がっていた。そんな、「森」を通して異世界へと渡る物語だ。 「サヨナラ」という名前はどう考えても変だが、それに対し、森で出会う水たまりの「ジャボチンスキー」は、主人公に対し「サヨナラという名前は不吉だ。コンニチワに改名した方が良いよ」と言う。そういった、自称、姓名判断が得意な彼などの愉快な仲間による、言葉遊びを交えた会話がとにかく楽しい作品。