出版社内容情報
大きな兄さんの手にはシャベル。植木鉢をかかえているのは姉さん。でも末っ子のティッチの手には小さな種が一つだけ! 末っ子の心が大きくはばたくさまを明快な構図で描いた絵本。
<読んであげるなら>3才から
<自分で読むなら>小学低学年から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
309
作も絵もパット・ハッチンス。ヨークシャー(イギリス)生まれの女性で、ニューヨークで活躍していたイラストレーター。お話はいたってシンプル。3人兄弟(ただし、このお話では兄、姉、そしてティッチという構成)の末子が果報を得るという昔話によく見られる類型を踏襲する。そして、そこにいたるまでの繰り返しのリズムを楽しむもの。絵もまたシンプルで、人物画のみで背景は全く描かれない。子どもたちのファッションも、これまたシンプルだが、なかなかにお洒落だ。2023/11/18
やすらぎ🍀
189
おにいさん、おねえさんといつも仲良く遊んでいる、ティッチはまだ小さなおとこの子。靴も小さいし、自転車でも追いつかないし、何をするにも遅れをとってしまうけど、それはきっと今だけだよ。大きく芽生えるときが来るから。ちいさなちいさな宝ものが手にひらにあるでしょう。願いを込めて土に眠らせてみるといいよ。その生命力にみんな驚くはずだから。人と人を比較したり強弱をつけることって、実は誰も望んでいないはずなんだ。でも世界にはなぜか溢れているね。憧れは憧れとして、それぞれの葉を広げて花をつける。それが大切なんだと思うよ。2023/08/18
Kawai Hideki
68
表紙を見るとティッチというのは女の子の話かと思ったら、男の子だった。ティッチには、お姉さんのメアリと、お兄さんのピートがいる。ピートとメアリは、いつも大きな自転車や凧や大工道具で遊んでいるのに、ティッチには小さな三輪車や風車やクギがあるだけ。庭でも、シャベルや植木鉢を持っている兄姉に対して、ティッチは小さなタネがあるだけ。ところが、この小さなタネが芽を出して……。末っ子が最後にひと泡ふかせて溜飲を下げるお話……なのか?2016/11/19
gtn
65
幼いうちから、引け目や何くそという気持ち等、様々な心の持ちようを経験しておくことは重要。その意味で、兄姉の振舞を真似することができる末っ子が一番得かもしれない。2020/08/05
Willie the Wildcat
63
背伸び・・・。(競争という意味ではなく)兄姉と一緒に!という思い。心当たりがあるなぁ。兄の背中を追った剣道。今では笑える”心意気”も、当時は真剣!(笑)一緒に・・・は、ないけど。(汗)絵は、コミック調。得意げなティッチの表情が秀悦!”種”を見つめる兄姉の表情が印象的。泡を吹かせることができて?!良かったね。2014/06/01