だれが「本」を殺すのか

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だれが「本」を殺すのか

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  • サイズ B6判/ページ数 461p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784833417167
  • NDC分類 023.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

活字離れ、少子化、出版界の制度疲労、そしてデジタル化の波――いま、グーテンベルク以来の巨大な地殻変動未曾有の危機に、「本」が悲鳴を上げている!! この「事件」を、豪腕「大宅賞」作家が取材・執筆に丸2年1千枚に刻み込んだ渾身のノンフィクション!
■「本」の世界に、いま起きている事件ルポルタージュとしてこれを書いた。いま「本」を殺そうとしているのは、だれなのか。出版社なのか編集者なのか取次なのか。それとも書店なのか図書館なのか書評家たちなのか。いや、ひょっとすると私を含めた著者たちなのかもしれないし、意外にも読者なのかもしれない・・・・・・・。(本書「あとがき」より)
【目次】
●プロローグ~本の悲鳴が聞こえる!
●第一章……書店 ~「本屋」のあの魅力は、どこへ消えたのか
●第二章……流通 ~読みたい本ほど、なぜ手に入らない?
●第三章……版元 ~売れる出版社、売られる出版社
●第四章……地方出版 ~「地方」出版社が示す「いくつかの未来図」
●第五章……編集者 ~「あの本」を編んでいたのは、だれか
●第六章……図書館 ~図書館が「時代」と斬り結ぶ日
●第七章……書評 ~そして「書評」も消費されていく
●第八章……電子出版 ~グーテンベルク以来の「新たな波頭」
●エピローグ ~「本」の生死をわけるもの
●あとがき

内容説明

活字離れ、少子化、出版界の制度疲労、そしてデジタル化の波―いま、グーテンベルク以来の巨大な地殻変動。未曾有の危機に、「本」が悲鳴を上げている!!この「事件」を、豪腕「大宅賞」作家が取材・執筆に丸2年1千枚に刻み込んだ渾身のノンフィクション。

目次

プロローグ 本の悲鳴が聞こえる!
第1章 書店―「本屋」のあの魅力は、どこへ消えたのか
第2章 流通―読みたい本ほど、なぜ手に入らない?
第3章 版元―売れる出版社、売られる出版社
第4章 地方出版―「地方」出版社が示す「いくつかの未来図」
第5章 編集者―「あの本」を編んでいたのは、だれか
第6章 図書館―図書館が「時代」と斬り結ぶ日
第7章 書評―そして「書評」も、消費されていく
第8章 電子出版―グーテンベルク以来の「新たな波頭」
エピローグ 「本」の生死をわけるもの

著者等紹介

佐野真一[サノシンイチ]
1947(昭和22)年、東京生まれ。早稲田大学文学部卒業後、出版社勤務を経て、ノンフィクション作家に。97(平成9)年、民俗学者の宮本常一と渋沢敬三の生涯を描いた「旅する巨人」で第28回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。著書に『性の王国』『業界紙諸君!』『遠い「山びこ」』『巨怪伝』『カリスマ』『凡宰伝』『東電OL殺人事件』などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shin

7
図書館本。10年以上前に書かれた本だが、独特の商習慣に縛られた「本の業界」がどんなプレイヤーで構成され、どんな構造的問題を抱えているのかについて俯瞰することができ、非常にためになった。Amazonとか電子書籍とかの前に、日本の出版業界は制度疲労を起こして久しく、その中で「本」そのものが静かに死へと向かっている。新刊ラッシュをして「デッドフロー」と呼ばざるを得ない中、「悪貨が良貨を駆逐」しつつ知の地盤沈下は今なお進行中なのだろうが、本を読者に届ける側の人々だけではなく、読者の側にも相応の責任はあろう。2012/01/24

ぽんぽこ

5
「本」という一つのメディアをあらゆる角度から論じた、今から20年前の本。この頃から国民の活字離れが騒がれていたみたいですね。正直この著者の主張は机上の空論で理想論めいたところがあり、特に電子書籍やブックオフについては楽観的な印象さえ受けました。今後は横丁作家が出現しないと著者は当時言いましたが、この10年後にはフォレストが、今はなろうが、素人作家を大量に生み出しているのが現状であり、若い子には紙の本よりそちらの方がウケているのもまた現状です。また、Amazonの動きを予見できななかったのも痛手ですね。2021/07/26

がっち

5
本を活かすも殺すも読者と企業次第だ。面白い本はやっぱり直接買って読みたい。書店が生きるためには、ありふれた書店にならないことが大事だと思う。本に頼らないと言う戦略だ。いい本屋なら行きたいし、ありふれた本ならいかないそういうものだと思う。2013/06/03

つちのこ

4
すぐれた作家とは何か。読者の時間を一時止めてみせることのできる者のことである。すぐれた本とは何か。日常の時間の流れに一瞬シワを寄せ、活字から目を転じたとき、下界の尺度が読む前と少し狂って見える本のことである―さすがに著者である。この核心をついた独特な表現はだれも真似できない。本書は現代社会の本を取巻くのっぴきならない環境を、著者の鋭敏な底力をもって様々な切り口から論じている。版元~取次~書店といった流通機構の中での、特にコスト的な問題点。“本は儲からない”と一刀両断。目からウロコだった。(2001.4記)2001/04/29

ウチ●

4
出版から15年の歳月は流れたが、タイトルの衝撃度は健在。「本」をめぐる世界に起きている事件のルポルタージュとしてこれを書いた、と佐野さんは述べる。本が売れなくなったのは川上から川下まで各所に問題山積であることは納得。単なる魔女裁判ではなく、出版の未来を見据えた人達についての活動にも紙幅を割いている点は良い。現時点では電子書籍恐るるに足らず。一番恐ろしいのは社会全体の知的好奇心の萎え、なのではなかろうか。2016/08/20

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