内容説明
白砂青松のクロマツ林がマツタケ狩りのアカマツ林が気づかれぬままに消えていく!日本の植生をむしばむ「マツ枯れ」の発病と拡大のメカニズム解明に挑んだ研究者たちの記録。
目次
忘れられるマツ林
第1部 マツ枯れの原因を探る(マツ林は人間とともに;マツクイムシと呼ばれる虫たち―穿孔性昆虫と樹木の関係;「マツ枯れ」真犯人の探求 ほか)
第2部 マツノザイセンチュウの生物学(線虫という生きもの;旅客機と乗客;マツはなぜ枯れる ほか)
第3部 「マツ枯れ」の蔓延と環境要因(菌根共生と「マツ枯れ」;大気汚染が「マツ枯れ」におよぼす影響;温度条件と潜在感染木 ほか)
著者等紹介
二井一禎[フタイカズヨシ]
1947年京都府生まれ。京都大学大学院農学研究科教授。学生時代、八重山諸島の調査旅行で水生昆虫学に触れたことから、環境指標としての生物に関心を持ち、公害指標としての土壌線虫の研究に着手。これがマツ材線虫病の研究につながり、森林に生活するさまざまな生物の相互関係への関心を深めることになった。現在は、被害が顕在化しつつあるナラ枯れ病の生物学、菌根菌の生態学などの研究も行っている
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