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内容説明
トコが死んだのは三日前のことだった。交通事故だった。大型トラックに轢かれたとだけ聞かされた、遺体は見ない方がいいと言われた。そんな死に方だった。そう、そりゃ言葉では分かっている。人間いつか誰だって死ぬってことは。自分であれ、他人であれ、事故なのか、病気なのか、寿命なのか。でも、俺は死ぬってことがまだ良く分かっていなかった。そしてもっと分かっていなかったのは、人が生き返るってことで―。由緒正しい魔法の日記に書かれていた「お兄ちゃんと結婚したい」という言葉のせいなのか、妹―トコは生き返り、また俺と暮らすことになったんだ…。新井輝が描くどこにでもいる普通の兄妹の、普通ではない数日間の物語。それは、ちょっと素敵でちょっと切なく心に染みわたっていく―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そのぼん
22
事故で亡くなった妹が突然生き返って現れる・・・。そんな場面からストーリーが展開していきました。こんな風に書くとホラーの様ですが、実は青春ものの要素の方が多かったです。重くなりがちなストーリーですが、爽やかに描かれていて良かったと思いました。2013/03/21
サエズリ割津
6
文句なしに面白い。事故で失った妹が兄である主人公と結婚するため戻ってくる話。爽やかさを孕んだ不安定な読後感は流石新井輝先生だなと。主人公はトコが死んだ事実を受け入れながらもどこか否定していて、そういう態度はにじみ出てしまうということが幼なじみとの交流の中で描かれていてよかった。ハッピーエンドでもバッドエンドでも現状維持でもなく、過去の傷を背負ったまま新たな一歩を踏みだしていく、何とも言えないラストシーンが心に沁みわたる。名作。2016/04/19
m-bird
5
なんとも言えない後読感。読んでる間もつきまとう、澄んだ、だけれど哀しい空気。2009/05/26
YO-HEY@紅蓮ロデオ
4
この作者の、日常の中に溶け込んだ魔法みたいな作風は好きですね。2010/02/23
PetaHz
4
「でも、今日も明日も、いもうと。」2009/05/24