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内容説明
当時のおれはまちがった方向に全力疾走だった。それが楽しかった。タナケン、正則、阪本、そして「おれ」こと友永達也は、男子校でテーブルトークRPGを遊ぶ仲間。ある夏、美少女・菜々子が突如サークルに現れた。まったくの初心者だという彼女にひとめぼれした「おれ」は、別れまでの1か月間、最高のシナリオで彼女をもてなそうと奮闘する。そしておれたちと菜々子の最高の夏が始まる―。ピュアでオクテなTRPG少年たちが織りなす、テーブルトーク業界初(?)のプレイヤー青春ストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
CCC
4
枕に顔をうずめてじたじたしたくなる。心なしか嫌な汗が。しかし終わりは思ったより穏当で、ホッとしたような残念のような。2017/06/27
akiu
4
TRPG 青春小説。高校二年の夏休み、僕たちの TRPG サークルに女の子がやってきた!(うわー!)。登場人物たちの青春狂騒曲と強烈な AOHARU YOUTH っぷりに赤面。時折、青春に対する筆者の呪詛のようなものが吐き出されているところも面白かったです。一方で、TRPG に対する思いとか、マスターをやることの楽しさを主人公が見出していく様は、普通に良かった。あと、敵キャラの心情をアドリブで掘り込んでいくところに、現実世界とのリンクが感じられてよかったです。2013/02/13
ぷるっちょ
3
主人公の年齢が遊んでいるゲームから推測して、自分と同年代だったので読んでいて昔を思い出した。ロードス島戦記、指輪物語、エルリック・サーガ、メタルヘッド、カタン等々、すべて懐かしい。物語の最後で、女の子と仲良くしたいなら、電話番号を聞き出すことが第一歩なのに意気地がなくて聞き出せないところが、当時のTRPGオタク少年のメンタルを正確に表していたと思う。なんにしろ、甘酸っぱい青春ストーリーだ。2016/05/20
紺
3
TRPGにはまる少年が体験する、ひと夏の青臭い恋愛。まず昔の作品とはいえ、TRPGという題材はかなり特殊だと言えるだろう。しかし物語進行に支障のない程度にさっぱりと説明できており、見事にモチーフを物語りに組み込んでいる。そして特徴的なのが主人公の性格。最近はラノベだと草食系で女性に関心のない主人公が描写されているが、本作の主人公は草食系でどうしても女性に一歩踏み出せない奥手な少年を見事に描ききっている。友人タナケンの関係と、TRPGの作中シナリオが一部リンクするのもいい展開だった。2012/04/11
Empirestar
3
秋口ぎぐるの小説はどこか、個人的にツボな部分が多い。今回も恋愛に関する肉食動物と草食動物の例えにウケたわけだが(僕は当然、チキンなので草食動物に属する!)、確かにTRPGを経験した人ならわかるけど、圧倒的に女性が少ない。ザンスとか読んでいる可愛い女子が突然TRPGをやり、性格もよいときていれば、やる気は起こるよなぁ。小説の中で秋口ぎぐるはいいこと言っているので、オクテな人は読むべき一冊。 2008/01/29