福武文庫<br> 新編 ノラや

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福武文庫
新編 ノラや

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  • サイズ 文庫判/ページ数 281p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784828832616
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

百〓宅にするりと入りこみ、或日ふいに戻らなかったノラ。愛猫の行方を案じ嘆く「ノラや」を始め、白猫に化けた女中の話など、昭和初期から晩年にいたるまで、猫の話ばかり20篇を集めたアンソロジー。

目次

梅雨韻
白猫
立春
竿の音
彼ハ猫デアル
ノラや
ノラやノラや
ノラに降る村しぐれ
ノラ未だ帰らず
猫の耳の秋風
クルやお前か
カーテル・クルツ補遺
ネコロマンチシズム
垣隣り
木賊を抜けて
身辺と秋筍
アビシニア国女王
ピールカマンチャン
「ノラや」
猫が口を利いた

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たつや

57
内田百聞さんは夏目漱石の弟子だったんですね。名前をよくみるのに、初読は本書の自分です。弟子だけあり、我輩は猫であるにあやかって、猫の作品を書いたの?と思いましたが、純粋にエコとの出会いと別れを日記形式も織り交ぜ、たんたんと綴る、名作だと思います。知人からノラの代わりに生後2ヶ月の三毛猫をやろうか?と言われ、「ノラはノラだから」と、断るところがグッと来ました。2016/12/19

ミッチ

12
当初ネコをあれほど毛嫌いしていた百閒夫婦が、とある災難から猫を救出したことを切っ掛けに、それはそれは眼の中に入れてもいたくないほど、片時も離れられなくなるまでに溺愛していく様を事細かに綴ったエッセイ。猫が手を着けない魚は味付け直して夫婦が食する等。どこの愛猫家もこうなんだろうと思いますが…当時としてはアブノーマルな可愛がり様だったと思います。2019/06/16

澤水月

9
22年ぶり福武3読目。前回は自分の半外飼い愛猫刺殺直後読みダメージ受けすぎ…。次の24歳愛猫を手の中で看取り読むと今回「クルやお前か」やはりグッと…。ただコロナ禍と世の意識改革、評伝読み知識増え読むと、若い時の読み味と全然違う。百閒は愛猫なくす悲しみに「淫する」姿と、我儘で稚気多い王様の姿を意図的に「轟音で晒す手法」両立できる骨の髄からの文筆家と感じた。空襲被災記『東京焼尽』にも通ずる自身のキャラ化。解説井坂洋子も紙幅半分割く絶筆「猫が口を利いた」は絶品。自家籠中「幻想、恐怖、とぼけ」最後まで完徹(コメへ2022/11/28

ぽけっとももんが

8
「ハラヘリ読書」からの派生読書。前から気になっていた百閒先生。話には聞いていた、ひたすらいなくなったノラを思い嘆き悲しむだけ、と。いやまさにノラや、ノラや、とおろおろし仕事も手につかず。しかし積極的に新聞広告、折り込み、外国人家庭には英語でポスティング、情報は意外なほど集まる。奥方はその度に似た猫を確認に出向くわけだから大変だ。帰ってこないのは帰るかもしれないから待ってしまう辛さがある。クルツは腕の中で息を引き取ったから、宙ぶらりんではなく心の整理ができる分、立ち直りも早いとは思う。2023/09/03

timeturner

3
かわいがっていた猫がいなくなって泣く気持ちは理解できるけれど、半年たっても一年たってもまだ滂沱の涙を流しているというのは……何事においてもextremeな人だね。2015/10/27

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