うつろ舟

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うつろ舟

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784828821979
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

無限の陶酔境に誘なう天涯の声。時空を超えた女人と少年の交感。神韻縹渺とただよう妖かしの舟。精妙な構成、流麗な文体で繍いとる珠玉の名品8篇。夢幻とエロスの燦たる新物語集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ドン•マルロー

24
8つの掌編を収録した幻想短編集。全ての作品が古典からの翻案だそうだが、どれもが印象的なシーンや描写をはらみ、もはや完全なオリジナル作品と言っても良いくらいだ。うつろ舟に乗って突如としてあらわれた、人間らしからぬ金髪碧眼の女。その女と地元の男とが奇妙な舟のうえで自分たちの首を投げ合う描写は、不気味だが妙に艶っぽくもある。〈諸行無常…〉の四行の言葉が時空を飛び越え、江戸から現代へと、海から飛行機の中へとさすらうという締めも良い。現実と虚構の境界が消え、まさしくどこでもない”うつろ”な世界へと舟は出立するのだ。2016/03/06

あ げ こ

13
物語はころころと玉のようにこぼれ出で、掴み取るその繊細な手の持ち主によって、まるで愛でるようにして、遊ぶようにして語られる。夢幻との戯れ。まず声がするのだ。夢幻からの声が。夢幻からの語りが。聞こえた者だけが、行ける。或いは、聞こえてしまったのであれば、行かなくてはならないのだ。語り手の声と、語り手を語ることへと向かわせる夢幻の声。魅惑されるということ。誘われるままに、欲望を膨張させること。魅惑されることの当然さのままに、語り始めること、語り直すこと。夢幻に遊び、遊ぶことの快楽のままに、夢幻を語り継ぐこと。2022/07/17

花々

12
とても良かった。良すぎて感想がうまく出てきません。私の好きな怪、耽美、幻想、が全て美しく操られながらどの物語も艶めかしく、ときに残酷に進んでいき憑りつかれたように読みました。髑髏盃で以前から、この作家さんに注目していましたが、やはり良い!この中では、『菊燈台』が一番好きでした。2018/02/07

とも

5
図書館閉架本 初読み作家さん2019/08/15

しじみのたわごと

1
古典を下敷きにした艶笑怪奇短編集。すこしふしぎ。2020/11/17

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