B選書
松本清張の現実(リアル)と虚構(フィクション)―あなたは清張の意図にどこまで気づいているか

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  • サイズ B40判/ページ数 255p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784828412542
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

内容説明

「人間の闇を映し出している」とリアルに感じるのはなぜか?清張は、日本の歴史や天皇制、教科書問題など、まさに現在へ脈々と通じる問題を、作品を通じて表現し、訴えかけている。

目次

第1章 「松本清張」という方法
第2章 清張文学における“権力”批判の方法―「二大疑獄事件」から見た戦後史
第3章 松本清張と三島由紀夫―小説の中の“私”と“社会”
第4章 清張の歴史意識―『火の路』における“物語=歴史”をめぐる闘争
第5章 清張と歴史教育―『落差』のアクチュアリティ
第6章 清張文学における「旅」―『砂の器』の記号論
第7章 社会派推理小説における「メディア」の機能―『不安な演奏』を可能にしたもの
第8章 清張文学における「間テクスト性」の問題―『Dの複合』の多重性をめぐって
第9章 天皇制の謎をめぐって―『昭和史発掘』から見えてくるもの

著者等紹介

仲正昌樹[ナカマサマサキ]
1963年広島県生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。金沢大学法学部教授。社会思想史・比較文学を専攻。文学や政治、法、歴史などの領域について、アクチュアリティの高い言論活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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さえきかずひこ

2
現代思想(テクスト論など)を援用した清張批評。最終章で『昭和史発掘』で描かれる2・26事件を山車にして語られる天皇制についての分析が興味深い。2009/06/17

讃壽鐵朗

1
40年来の松本清張愛読者で、同時に関連する評論なども読んできたのだが、この仲正氏による本は秀逸である。 特に、三島由紀夫との対比が興味深かったが、この点は私は以前から清張には言わばエリートに対する屈折した憎悪心が極めて強いと確信していた。それは清張の初期短編に繰り返し出てくる官学へ対する強い批判に既に明らかであった。 文壇には殆ど無縁であったが、あれほど一般大衆からの支持があったので普通の作家からは逆に妬まれたのであろうが、これはある種の成り上がり者に共通する現象でもある。2013/11/23

Genei-John

1
三島由紀夫への対抗意識について論考したところを面白く読んだ。2013/09/29

Gen Kato

0
小説については面白く読めた。しかし一連のノンフィクション系作品に対する論述は食い足りず。 2013/09/20

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