内容説明
情報戦略も含めて国家的戦略を持たない国が、果たして21世紀で有効に存在し得るのであろうかという問題がある。個々の企業が優れた暗号を開発しても、それを国家的戦略に取り込んで一元的に処理することのできる情報機関がなければ、国益の増進に生かすことは難しいのではないだろうか。
目次
第1部 武器としての暗号(アメリカ潜水艦に破れた日本;暗号解読が最大の武器;潜水艦作戦の本質;情報の軽視;ドイツ海軍の狼群作戦 ほか)
第2部 戦後から現代までの暗号(冷戦の終結とエシュロンの登場;エシュロンの活動;情報帝国への道程;ヤードレーとブラック・チェンバーの活躍;アメリカ陸軍と暗号解読 ほか)
著者等紹介
吉田一彦[ヨシダカズヒコ]
1936年神戸市生まれ。神戸大学国際文化学部教授を経て、同大学名誉教授。現在、北星学園大学文学部教授。第二次大戦、特に情報戦略に関心が深く、主なものとしては次のような著作がある。『ドーリトル日本初空襲』(徳間文庫)、『アメリカ義勇航空隊出撃』(徳間文庫)、『情報で世界を操った男』(新潮社)、『暗号戦争』(小学館)等
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。