内容説明
その数字は信頼できるのか?テレビ、新聞、インターネット…メディア報道に潜むインチキ統計や数字のトリックにだまされないための統計リテラシーガイド。
目次
第1部 さあ始めよう(疑わしい数字を見分ける;背景知識)
第2部 さまざまな種類の疑わしいデータ(間違い;出所―だれが、なぜ数えたのか;定義―何を数えたのか ほか)
第3部 自分でスタット・スポッティング(まとめ―疑わしいデータの目印;よいデータ―いくつかの特徴;あとがき―そんなにひどいとは思ってもみなかったというなら、そんなひどくはないのだろう ほか)
著者等紹介
ベスト,ジョエル[ベスト,ジョエル][Best,Joel]
カリフォルニア大学バークリー校で社会学のph.Dを取得。カリフォルニア州立大学、南イリノイ大学などで教鞭をとり、現在デラウェア大学社会学・刑事司法学部主任教授
林大[ハヤシマサル]
翻訳家。1967年、千葉県生まれ。東京大学経済学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
18
社会学者が統計の真偽の見抜き方に関して一般読者に向けて書いた本。多くの人は百分率の計算以上に複雑になると思考停止してしまうと警鐘を鳴らす。平均値と中央値の違いなど基本的なところから統計の見抜き方が学べる。統計はアドボケイト(要は活動家)とメディアによって都合よく取り上げられるという。例えばイラク戦争で死亡した市民は50万人を超えると言われているが、戦争を支持する団体は過小に見積もった数字を報告していた。また、メディアも真新しさを強調するため、統計をオーバーに扱うことがあるとする。今後は注意したい。2023/06/17
Humbaba
5
統計というのは,必ずしも正しいとは限らない.まず確認するべきことは,その計算は本当に合っているかどうかである.少なくないケースで,本来あり得るべきではない数字が提示されていることがある.例えば,ある特定の条件で殺害された人数が,前殺人事件の被害者数よりも多いなどである.2012/04/24
あっきー
4
理系の仕事をしている人だと、ニュースなどで紹介される数値に疑問を持ったことがあるだろう。本書にあるようにメディアは概してインパクトのある言い方を好む。嘘ではないのだが、読み手をある方向へ誘導するような書き方が多く、騙されないためにも何に気をつけると良いのかが分かりやすく説明されていた。2021/12/16
DORA
4
これからデータや統計を扱う仕事につくので、読んでみた。修士時代にアンケートデータを取り扱っていたこともあり、スッと読むことができた。時おり挟まれている例示はバックグラウンドが異なるためかよくわからないこともあった。そういえば、先行研究の論文も解釈に困る対立する論文がたくさんあったなぁ2018/03/19
くさてる
4
数字というだけで信用しないために。統計が用いられた記事や主張を目にする時に、気をつけなければならないポイントについて、具体的な例を挙げつつ、とても分かりやすく述べられている。肝心なのは、統計の数字のもっともらしさを見るのではなく、そこに込められた主張を見抜く目なのだと思った。2012/01/21