人は原子、世界は物理法則で動く―社会物理学で読み解く人間行動

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  • サイズ A5判/ページ数 310p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784826901550
  • NDC分類 420.4
  • Cコード C0040

内容説明

人間を原子と考えると世界はこんなにわかりやすい!どうして金持ちはさらに金持ちになるのか、人種差別や少子化はなぜ起こるのか…これまで説明がつかなかった難問を新たな視点で解き明かす。

目次

第1章 人間ではなく、パターンを考える
第2章 世界が複雑なのは人間が複雑だから?
第3章 人間は本当に合理的なのか
第4章 適応する原子
第5章 模倣する原子
第6章 協調する原子
第7章 民族はなぜ憎しみあうのか
第8章 金持ちがさらに豊かになる理由
第9章 過去への前進

著者等紹介

ブキャナン,マーク[ブキャナン,マーク][Buchanan,Mark]
1961年クリーブランド生まれ。物理学で博士号を取得。『ネイチャー』、『ニューサイエンティスト』等の編集者を経て、現在フリーのサイエンスライター

阪本芳久[サカモトヨシヒサ]
1950年神奈川県生まれ。慶應義塾大学工学部卒業。出版社勤務を経て現在は翻訳業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りょうみや

17
久々に再読。著者の本は分かりやすく何冊も読んでいる。本書では社会物理学と言っているが、社会心理学のシミュレーション、人工社会、複雑系などいくつかの呼び名がある分野。人間は理性よりも感情的に行動し、学習し他人の真似をし、仲間と強調する一方部外者には厳しいなど簡単なルールの設定で人間の集団行動、社会現象の多くがシミュレートできる。社会心理学の理論の強化にもなるし面白いのだが、シミュレーションでは長いことこれ以上の成果は出ていないように見えることから、本書の内容くらいが社会物理の限界点と言えるかもしれない。2019/03/24

白義

11
なぜ、金持ちはさらに豊かになるのか。なぜ、人間は他人の模倣をし、革命などを起こすのか。なぜ利他行為があるのか。なぜ民族憎悪があるのか。なぜ世の中は複雑なのか。それは人間が複雑な生き物だからなのだろうか。この本はそれに対し、極めてクールに、いやいや、別に人間は複雑でも悪辣でも何でもなくて、単にそういう社会的なことは原子がくっついたり物質を作ったり水が氷になるのと同じ、数理物理学的なパターンの問題かもしれないよ、とぶっちゃけた本2011/10/25

roughfractus02

7
原題The Social Atom。著者は人間を原子と見なすことから始め、社会をこれら原子の描くパターンからなるネットワークとして捉える。著者の唱える「社会物理学」の物理学とは、人間を原子に分解して物理学的本質を追求する学ではなく、各個人を原子と見なし、様々なパターンを抽出するフィルターである。すると、社会集団をなすこれら原子に、直感で動き、学習し、模倣し、強調し、排他的になる傾向が見えてくる。これらの傾向は理性的人間という基準では欠陥とされるが、本書は逆に、理性をこれらパターンの絡み合いの効果と捉える。2020/01/22

inami

7
◉読書 ★3 社会現象は物理現象によく似た経過をたどり、構成要素の特性ではなく、構成要素が作りだすパターンや組織的構造、形態である場合が多いという。「人間の行動の二つの原則」、カーネマンの「二つのシステム」①人間は合理的な計算機械ではなく、狡猾なギャンブラーだ。②われわれは適応性のあるご都合主義者である。・・これらの原則は、少なくとも問題をどう解決するかに関して、人間がとる行動の多くを説明することができる。「民族はなぜ憎しみあうのか」「金持ちがさらに豊かになる理由」など・・社会物理学か、よくわからん・・2017/12/15

jackbdc

3
人を原子と見立て、原子間の相互作用を物理学のように普遍的な法則を通じて理解しようという考え方は興味深い。概念自体は19世紀に遡るというが、現実的にはセンサやコンピュータの性能向上による計測性の担保があって始めて説得力を持つようになったのだと思う。加えて人間行動の特性に対する理解が進展してきたことも重要な要素であろう。いわゆる経済人ではない。人は直感に頼りがち、真似をする、適応していく、外敵へ敵対心を持つ。このように計測性向上や人間特性の理解を通じて相互作用の分析を行う土壌が整いつつある。今後の成果に期待。2020/12/22

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