出版社内容情報
ベルギーの司祭にして宇宙論研究者のルメートル(1894~1966)の伝記を中心とした、1920年代から1930年代のビッグバン研究史です。宇宙の「ビッグバン」の理論モデルについては、膨張する宇宙に関する方程式の解について、フリードマンとルメートルが独立に似たような解を見つけ、それを用いて宇宙の始まりのモデルをはじめて作り上げました。ルメートルは、そのほかにもビッグバンに関わる斬新なアイデアを出し、その先見の明で有名です。ただし、その高い評価は後年宇宙背景放射の観測後のことであり、当時はアインシュタインに個人的に話しに行ったが、相手にされなかったとか、大胆な仮説は、科学者たちから批判を受けました。本書は、アインシュタインやガモフらの研究者間の関わりを中心にし、理論などはほとんど式を用いず説明し、たとえを使いながらやさしく宇宙物理を解説しています。ビッグバンの探求を通して、偉大な科学者たちの影に埋もれた謙虚な物理学者を主役とした20世紀物理学史とも言える書籍です。
第1章 ソルベイ会議
第2章 戦場から戻って
第3章 進化する宇宙という考え方―宇宙観の変遷
第4章 英ケンブリッジから米ケンブリッジへ
第5章 宇宙の膨張が確認される
第6章 原初の原子
第7章 宇宙マイクロ波背景輻射
第8章 実り少ない年月
第9章 ルメートルの定数が復活へ
第10章 特異点の本質を見抜く
第11章 宇宙の大聖堂
内容説明
何回も自説を認められずも「膨張する宇宙」「宇宙定数」に対し刺激的理論を展開した謙虚な宇宙物理学者、ジョルジュ・ルメートルの物語。
目次
第1章 ソルベイ会議
第2章 戦場から戻って
第3章 進化する宇宙という考え方―宇宙観の変遷
第4章 英ケンブリッジから米ケンブリッジへ
第5章 宇宙の膨張が確認される
第6章 原初の原子
第7章 宇宙マイクロ波背景輻射
第8章 実り少ない年月
第9章 ルメートルの定数が復活へ
第10章 特異点の本質を見抜く
第11章 宇宙の大聖堂
著者等紹介
ファレル,ジョン[ファレル,ジョン][Farrell,John]
ボストン出身のサイエンスライターおよびビデオプロデューサー
吉田三知世[ヨシダミチヨ]
京都市生まれ。京都大学理学部物理系卒業。技術系企業での勤務を経て、現在は英日・日英双方向の翻訳業に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。