電子立国は、なぜ凋落したか

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電子立国は、なぜ凋落したか

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784822276980
  • NDC分類 549.09
  • Cコード C3034

内容説明

かつて世界を席巻し、自動車と並ぶ外貨の稼ぎ頭だった日本の電子産業。今や、それは夢まぼろしである。そうなってしまった本当の原因は何か。多面的な視点で解き明かす。

目次

第1章 大きな産業が日本から消えようとしている―日本のICT産業の貿易赤字は「天然ガス」並み
第2章 分かっていたはずの「地デジ特需」終了―日本製テレビが盛んに輸出されていたのは1985年まで
第3章 100年ぶりの通信自由化がもたらしたもの―「自由化」「モバイル」「インターネット」の大波に翻弄された通信市場
第4章 鎖国のときは栄え、開国したら衰退―市場のグローバル化で精彩を失った日本のパソコン
第5章 「安すぎる」と非難され、やがて「高すぎて」売れなくなる―日本のDRAM産業の栄枯盛衰
第6章 日本の半導体産業、分業を嫌い続けた果てに衰退―半導体産業でも設計と製造の分業で進む
第7章 アップルにも鴻海にもなれなかった日本メーカー―ファブレス・メーカーとEMSが製造業を再定義
第8章 イノベーションと研究を混同した日本電子産業―技術革新はイノベーションではない
第9章 成功体験から抜け出せるか―工本主義による保護は工業を元気にはしない

著者等紹介

西村吉雄[ニシムラヨシオ]
技術ジャーナリスト。1942年生まれ。1971年に東京工業大学大学院博士課程修了、工学博士。東京工業大学大学院に在学中の1967~1968年に仏モンペリエ大学固体電子工学研究センターに留学、マイクロ波半導体デバイスや半導体レーザーの研究に従事。1971年に日経マグロウヒル社(現在の日経BP社)入社。1979~1990年、『日経エレクトロニクス』編集長。その後、同社で、発行人、調査・開発局長、編集委員などを務める。2002年、東京大学大学院工学系研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たかしくん。

30
いみじくも本著にも記載の通り、クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」の企業を日本の電子産業に置き換えてみたら、なんとその通りだったというオチでしょうね。日本の電機、通信産業が、ある時までは米国を凌駕し日本全体をリードしたはずなのに、何故?? iモードで一世を風靡した日本のモバイルは、気が付けばスマホに取って代わられ、今や「ガラパゴス携帯」になってしまいました。著者の主張する「技術革新はイノベーションではない」との一言には納得です。2015/03/24

おさむ

18
常々疑問に感じていた日本の電機メーカーの凋落の原因がわかりやすく分析されており、腑に落ちました。テレビ、パソコン、携帯電話、そして半導体。それぞれの事情はあるものの、結局は各社とも、成功体験に縛られ、潮流とともに変わることができなかった。そこが自動車メーカーとの違いですね。ただ、自動車もIT化が進むいま、電子産業と同じ轍を踏まない保証はありません。2014/08/18

izw

9
バブル経済期を中心に繁栄していた日本の電子産業が、2000年以後凋落している。テレビ、PC、携帯電話、半導体の状況、推移を踏まえ、凋落した原因を探っている。自動車産業はそれほどには落ちていないのは、自動車の本質は「機械」であって「電子」ではないのが一要因だとしている。同様のことが事務機器にも言えるのだろうか。2014/09/10

Kentaro

6
ダイジェスト版からの要約 北米のメーカーは、工場を従業員ごとEMSに売却する。EMSは同じ工場で同じ従業員を雇用し続けながら生産を続ける。垂直統合か水平分業かは、雇用維持とは関係がない。日本の電子産業は「安かろう悪かろう」から出発し、「値段の割に質の良い」製品を作ることに成功して大をなした。それは偉大な成功である。日本の電子産業の今後は、企業、経営者、そして技術者が、自らの成功体験から抜け出せるかどうか、そこにかかっている。むしろ、成功体験を持っていない若者にすべてを託す。それが一番の早道かもしれない。2018/04/29

Masaki Sato

4
設計と製造を抱えることに固執し、EMSや半導体ファウンドリによって業界構造のイノベーションが起きていることについていけない、ものづくりが大事と言いつつ世界に通用するEMSとなった会社がない矛盾はたしかになと。半導体設計とファウンドリが出版の編集と印刷の関係というのは門外漢からすると目から鱗のわかりやすさ。2021/05/27

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