10万年の世界経済史〈下〉

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  • サイズ A5判/ページ数 334p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784822247423
  • NDC分類 332
  • Cコード C2033

出版社内容情報

日本や中国ではなく、なぜ英国で産業革命が先行したのか。人口の飛躍的な増大、米国などの原料生産国との貿易の活発化などが偶然重なったため、技術進歩のゆるやかな上昇が経済構造の突然の変化に見える、と著者は見る。
経済成長論の外因的成長論、複数均衡説、内因的成長論を検証しながら、文化的、遺伝的「要因」を明らかにしていく手捌きは、推理小説のような知的興奮を誘う。

内容説明

近代の急激な経済成長をもたらした勤勉な中産階級的価値観がなぜ生まれたのか?日本や中国ではなく、英国が産業革命で先行したのは、文化的、遺伝的な「偶然」の産物だった。英国で産業革命が起きた謎を大胆に解く。

目次

第10章 近代的な経済成長―国富の形成
第11章 産業革命の謎
第12章 英国の産業革命
第13章 産業革命はなぜ中国やインド、日本ではなく、英国で起きたのか
第14章 産業革命の社会的影響
第15章 一八〇〇年以降の世界における経済成長
第16章 格差拡大の近因
第17章 なぜ世界全体が発展しなかったのか
第18章 結論 未知の新世界

著者等紹介

クラーク,グレゴリー[クラーク,グレゴリー][Clark,Gregory]
カリフォルニア大学デービス校経済学部教授。1957年生まれ。1985年ハーバード大学でph.D取得。英国とインドの経済史、長期にわたる経済成長を研究している

久保恵美子[クボエミコ]
翻訳家。東京大学経済学部卒業。ノンフィクションの翻訳をおもに手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ステビア

24
産業革命がアジアでなく英国で初めて起きたのは後者の方が中産階級化に対する選択圧が強かったから。産業革命後の「大いなる分岐」が起きたのは各国の労働者の質に起因する労働生産性の違いが存在するから。2022/08/13

vinlandmbit

22
経済の歴史を学びたく手に取り当時読了した一冊。2022/07/13

リョウ

5
1800年頃、いわゆる産業革命といわれる時期から、人工が増えれば一人当たりの所得が減るというマルサス的経済から脱却し、人工が増えてもそれ以上に所得が増える世界へと移り変わっていく。しかし、実際には全ての階級で同時に変化が起こったのではなく、徐々に豊かな階層が拡大していくことで、全体の生活が豊かになるという経緯をたどっていた。2015/01/17

GASHOW

3
マルサスの罠から、1800年まで現在の価値観との真逆であった。不潔で人の寿命が短いことで個体数が安定していた時代。産業革命は偶然だったが、日本と西欧との違いは、西欧は不潔すぎて乳幼児の死亡率が高いことに対して、日本や中国は衛生的で死亡率が高くないが食糧の問題で口減らしとして女児を殺していた。西欧は人権があったかというと仏革命までは、拷問が娯楽だからそうでもないが、物資と食糧の調達ができた英国の偶然の産物だったようだ。2015/08/25

3
下巻は「大いなる分岐」以降の時代の話、特になぜ英国がマルサスの罠から脱することが出来たのかについて。大雑把に言えば人口動態の影響から社会の中流階級の占める割合が増え、その過程で倹約・勤勉といった中流階級の文化的遺伝が広まった・・・らしい。アジアの場合下層階級の人口多すぎ+中流から下層への流入がなかったそう。要するに「アジア人は怠け者」という同時代人の評は正しかったということ?後半になるほど主張が尻すぼみになっていくのもなんだか・・・。歴史学はもっと数量的な分析を重視すべきという点には同意できる内容だった。2012/07/16

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