10万年の世界経済史〈上〉

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  • サイズ A5判/ページ数 315p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784822247416
  • NDC分類 332
  • Cコード C2033

出版社内容情報

「アフリカのサバンナで始まった原始的な狩猟採集社会から、一八〇〇年ごろまで続いた定住農耕社会にいたるまで、ほとんどの人間社会の経済活動は、ひとつの単純な事実によって形成・支配されていた。その事実とは、長期的には出生者数と死亡者数が必ず等しくなっていたことである」(本書第二章「マルサス的経済の論理」から)

マルクス『資本論』、スミス『国富論』、ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』に匹敵する、人類の「ビッグ・ヒストリー」を描いた本書は、膨大な歴史資料を分析して大胆な仮説を提示した気鋭の計量経済史家の問題作である。その問題意識は2つある。一つは技術進歩が人口の増加によって打ち消される「マルサスの罠」の時代がなぜ紀元前から1800年まで続いたのか、もう一つは英国が先頭を切った産業革命を期に、「マルサスの罠」を脱却して経済成長を果たした先進国と、サハラ以南のアフリカのように停滞したままの国が「分岐」したのか、である。
上巻は1800年以前の経済社会を豊富なデータをもとに再構成する。

内容説明

技術進歩が人口増で帳消しになる「マルサスの罠」の停滞時代がなぜ長く続いたのか?スミス『国富論』、マルクス『資本論』に連なる、人類の何万年もの歩みを描く“ビッグ・ヒストリー”の試み。

目次

第1章 概論 世界経済史のあらまし
第2章 マルサス的経済の論理
第3章 生活水準
第4章 出生率
第5章 平均余命
第6章 マルサスとダーウィン―もっとも豊かな者が生き残る社会
第7章 技術進歩
第8章 社会制度と経済成長
第9章 近代的な人間の登場

著者等紹介

クラーク,グレゴリー[クラーク,グレゴリー][Clark,Gregory]
カリフォルニア大学デービス校経済学部教授。1957年生まれ。1985年ハーバード大学でph.D取得。英国とインドの経済史、長期にわたる経済成長を研究している

久保恵美子[クボエミコ]
翻訳家。東京大学経済学部卒業。ノンフィクションの翻訳をおもに手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

vinlandmbit

23
経済の歴史を学びたく手に取り当時読了した一冊。2022/07/13

ステビア

22
マルサス的世界において、生活水準は死亡率と出生率のみによって決まり、技術革新によっては影響を及ぼされない。定住革命から産業革命まで生活水準は大して改善せず、狩猟採集社会の方が豊かだった。そこでは「最富者生存(survival of the richest)」が起き、それにより社会の「中産階級化」(≒知能とconscientiousnessの上昇、自己家畜化)が進んでいった。2022/08/12

GASHOW

7
ジャレドダイヤモンドの銃・病原菌・鉄を読んだときのような感動がありました。人類の10万年の歴史では、人口増加が貧困を生みつねにバランスがとられていたこと。1800年の産業革命後に全てが変わったこと。日本の政治は経済のことのみしか関心がないのは、有権者も一緒でいいんだけど。国会議員と経済に関わる官僚には、是非知っておいていただきたい。実際にこれを読んだ人は何パーセントくらいいるのでしょう。国政に役立っているように思えませんが、、。ピケティの前に読んだほうがいい。あと、中世のヨーロッパは、想像を超えた超不潔2015/08/24

リョウ

7
断片的に残された資料から、昔の経済状態を探る。産業革命以前のマルサス経済下では、人口が増えれば人々の一人当たりの所得が下がり、生活水準が落ち、やがて戦争や疫病で人口が減ると逆のことが起こっていた。目の前の暮らしが便利に、暮らしやすくなればなるほど長期的に見て人類が貧しくなるという一見逆にも思える現象が起こっていた。雇人にとっての不幸が全体にとっての利益になるという見方はとってもシビア。2015/01/03

まいこ

4
産業革命はなぜアジアではなくイギリスだったのか?の答えの一つとして、英では富裕層が多く子どもを持ったのにアジアでは子供の数に差がなかったことがあげられていた。英で多く生まれた富裕層の子どもたちは階層を下り、勤勉さや読み書きや時間選好率の低さ等を社会全体に広めていったからだという。生殖に成功したのは勤勉で長時間労働する個体だった。一方ヤノマミ族では、人を多く殺している男性ほど多く子どもを持っていた。近代英では産業革命起きやすい方向に淘汰圧が働いていたからという2020/02/18

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