コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

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  • サイズ A5判/ページ数 447p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784822245641
  • NDC分類 683.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

20世紀最大の発明品の1つといわれるのがコンテナ。コンテナの海上輸送が始まったのは1956年3月のことだ。アメリカの陸運業者マルコム・マクリーンは、コスト削減と交通渋滞回避のため運賃の安い沿岸航路に目をつけ、トラックから「箱」だけ切り離して船に載せるアイデアを思いつく。陸上、海上輸送の兼業を禁止する規制当局と戦い、さらには埠頭を牛耳る沖仲仕の組合の抵抗を押さえ、1956年3月、コンテナの海上輸送が世界で初めて実現する。天性の企業家マクリーンは次々に船会社を買収し、ベトナム戦争では軍事物資の輸送に食い込み、世界最大級の海運業者に飛躍する。日本、韓国、シンガポールなどアジアの国々は、巨大なコンテナ専用埠頭を設置し、欧米との貿易で巨額な黒字を溜め込み、世界経済への影響力を増していく。グローバルな経済の成り立ちを「箱」に焦点を当てて振り返ったノンフィクション。世界経済を一変させた、知られざる物流の歴史!

内容説明

コンテナ船を発明したのは、トラック運送業者マルコム・マクリーン。その果敢な挑戦を軸に、世界経済を一変させた知られざる物流の歴史を明らかにする。

目次

最初の航海
埠頭
トラック野郎
システム
ニューヨーク対ニュージャージー
労働組合
規格
飛躍
ベトナム
港湾
浮沈
巨大化
荷主
コンテナの未来

著者等紹介

レビンソン,マルク[レビンソン,マルク][Levinson,Marc]
ニューヨーク在住のエコノミスト。The Economistの金融・経済学担当エディターや、Newsweekのライターを務めた

村井章子[ムライアキコ]
翻訳家。上智大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mitei

309
アメリカ発のコンテナが世界的に広まるまでが、面白かった。意外と日本、中国の発展にも密接に関わっている事も知った。2017/07/30

コットン

84
物流について&コンテナの歴史とコンテナリゼーションについての本。第二次世界大戦後の内陸輸送の主力は鉄道だった。50年代はトラック輸送になりピギーバック方式へ。60年代後半以降からコンテナ輸送で採算が取れるようになる。コンテナによる輸送時間の短縮とグローバル化の加速により成長している影には色々問題もありそうだ。2022/05/04

harass

82
世界の物流に欠かせないコンテナ、船舶・鉄道・トラックで箱ごと輸送させるシステムの歴史の本。アイデア自体はあったが、実際に運用させたのは戦後の米国で、運搬工程を短縮できることに懸念する港湾の沖仲仕の労働組合との交渉から始まる。企業や国の思惑や規制に思うように普及しなかったがベトナム戦争での軍需品輸送で威力を発揮する。石油危機などや業界激変もあり、現状運送コストはこれまでにないほど抑えられ、グローバル経済を支えているという。実に詳しい記述で、学術書寄りに感じる。意外に多い登録数に驚く。堅苦しさもあるが良書。2018/05/02

Willie the Wildcat

78
物流。人から動物、そして陸海空輸送への歴史。開拓精神、そして野望と欲が切り開く道。マクリーン氏の起業家精神が秀悦。先見性と行動力。機械化・近代化協定による労使双方の思惑とは異なった結果も、現代のGlobalizationを反映。但し、造船期間が変化のスピードに追いつけないのが辛いところ。一方、気になるのが「コンテナの放置」問題。戦争の齎す技術革新と、その後に待ち受ける”処理”問題は、戦闘兵器開発と同じ構図。コンテナもある意味で、物質社会の齎した当然の帰結なのかもしれないと感じる。2016/11/19

Miyoshi Hirotaka

63
ITは世の中を変えたが、そんなことは小さなものに思えるほどの大変化を鉄の箱、コンテナが起こしていた。華やかな技術イノベーションはないが、規格化、標準化、システム化を経て、輸送革命が起きていた。コンテナ輸送が始まったのが1956年。兵站を意味する軍事用語だった「ロジスティックス」は生産、在庫、輸送管理を含む経営用語になった。シームレスな輸送により、自社工場で完成させる方法からサプライチェーンを構成するようになり、生産の分散化が始まった。50年代、船の輸送経費の7割は港で発生。この価格破壊が革命をもたらした。2019/03/05

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