内容説明
「創造的破壊」こそが日本を救う!もう一度、経済学を勉強しよう。小室直樹がベンチャーを語る。付録CDには、「小室直樹の資本主義講座」著者の講演をそのまま収録。
目次
第1章 資本主義の精神とは何か(ケインズを読まないケインジアンの暴挙;「資本主義の精神」発生の契機;中世を克服した利子 ほか)
第2章 日本の資本主義と革新の精神(日本資本主義発生の特異な性質;屈辱的な不平等条約撤廃のために資本主義を目指した日本;資本主義へ一直線に突っ走った明治の日本 ほか)
第3章 シュンペーターの革新理論(ベンチャーは革新によって興る;革新の担い手たる「企業者」;「企業者」と「銀行家」が資本主義の正副操縦士 ほか)
第4章 革新理解のための経済原論(「有効需要の原理」と「セイの法則」だけ分かれば、あなたも立派な経済学者;有効需要の原理;国民生産と国民所得 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hisao Chugun
2
小室直樹の独自の言い回しに慣れるまでは読みにくいかもしれないが、そこを超えればこれほどわかりやすく資本主義の本質を解説した本はない。マックス・ヴェーバーとシュンペーター、を下敷きに、日本が他のアジアの国に先駆けて資本主義を発達できたかを解説し、さらになぜ現在の日本が停滞しているかも明らかにしている。資本主義が生き延びるための処方箋であり、この精神を失えば資本主義は衰亡するしかない、つまり近々滅ぶということが予見される。15年前の本とは思えないリアリティ。 2015/11/07
Yukicks
2
昨年亡くなった小室直樹先生の本。小室節炸裂してます。日本人は金利は悪いことだと決めてかかっている、利子はないにこしたことはないと思っている。これは不問にすることができない大問題だという。金利が悪いという思想は資本主義を否定するから、自由市場・私有財産制を否定するものと喝破する。2011/08/03
MIRACLE
1
資本主義の経済における企業家の役割について、ヴェーバーの資本主義論、シュンペーターの革新理論、経済原論(有効需要の原理、セイの法則)の紹介をとおして、解説した本。しかし、日本経済は資本主義に無知な家産官僚が牛耳っているのだから、日本から企業家が出現することは期待できないのではないだろうか。本書には特別付録として、筆者が1998年8月28日に日経ホールで行なった講演「日本人のための資本主義原論」を再編集したCD「小室直樹の資本主義講座」(73分間)がついている2016/02/10
柿の種
0
昔読んだ本を登録しています。2024/04/23
ビリケン
0
古来より性善説と性悪説が盛んに論争されていた。私が資本主義により性悪説が証明されたと考える。中世の時代、西洋では腐敗しながらもなんとか協会が、東洋では儒学が人間の欲望を抑え込んできた。しかしながら、人間の功利主義で動く事を肯定した資本主義により世界の富は何倍にも膨れ上がり、生活レベルは飛躍的な進歩を遂げた。資本主義の為に涙を流した人も多数いるだろう。しかし、資本主義おかげで恩恵を受けた人はもっと多数いるだろう。この歴史が教えるのは、人間は欲深い生き物だと認めなければならない。2020/08/19