内容説明
村野四郎の第二詩集『体操詩集』、第七詩集『実在の岸辺』それぞれの初版本を底本にして合本した。漢字は新字体に改めたが、平仮名は底本のままとした。また『体操詩集』の本文中の写真も、底本に近いかたちで掲載した。
目次
体操詩集
実在の岸辺
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
98
2つの詩集『体操詩集』と『実在の岸辺』。『体操詩集』は本当に美しい詩集。きりりと引き締まった言葉が人間の肉体の美を讃える。韻律で読ませる詩と言うより、硬質の表現で虚空に言葉を刻み込む彫刻的な詩だ。気にった一節をご紹介。「花のように雲たちの衣裳が開く/水の反射が/あなたの裸体に縞をつける」(飛込) 『実在の岸辺』は暗くて、重たい詩が多い。戦後に書かれた作品で戦争を経た苦しみが、行間から滲み出ている。しかし、絶望の中に沈み込むのではなく、韻文の力を信じて現実の世界に入っていこうとする気迫を感じた。2016/12/05
イコ
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読書メーターに体操詩集のみが無かったのでこちらで登録、美しい写真と躍動感溢れる詩が肉体の美しさを呼び起こしてくれる。2020/10/13