内容説明
三好徳三郎とは、日本統治期の台湾台北市で「辻利茶舗」というお茶屋(宇治の老舗茶商・辻利兵衛商店の台北支店)を営む一介の商店主でありながら、他面では、だれいうとなく「民間総督」と呼ばれ、台湾の総督府政治に隠然たる影響力を有した人物であった。本書の第1部は三好徳三郎遺稿『三好茶苦来山人の逸話』(三好正徳氏蔵)を波形昭一(編著者)が編集・注記し、第2部一はこれに解題を施したものである。また第2部二は、宇治市歴史資料館蔵『辻利一家文書』(辻利雄氏旧蔵)にもとづいて辻利兵衛商店台北支店(通称「辻利茶舗」)の経営状況を分析したものである。
目次
第1部 『三好茶苦来山人の逸話』(三好徳三郎記 波形昭一編集・注記)(渡台前(~明治三二・四)
渡台後・児玉総督期(明治三二・四~三九・四)
佐久間総督期(明治三九・四~大正四・四)
安東・明石総督期(大正四・四~八・一〇)
田・内田・伊沢・上山総督期(大正八・一〇~昭和三・六)
川村・石塚・太田・南総督期(昭和三・六~七・五) ほか)
第2部 解題と分析(波形昭一著)(『三好茶苦来山人の逸話』解題;辻利茶舗の経営分析)
著者等紹介
波形昭一[ナミカタショウイチ]
1941年新潟県十日町市に生まれる。1965年早稲田大学第一商学部卒業、1970年同大学大学院商学研究科博士課程満期修了、1987年商学博士(早稲田大学)。現在、独協大学経済学部教授
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