内容説明
本書は33歳当時に台湾独立運動に身を投じ、36歳から69歳までのあいだに3回投獄され、27年間を政治犯監獄ですごした一台湾人政治運動者、鍾謙順氏の回想録である。本書を読み進めるうちに、蒋政権統治下の台湾における人権の状況がわかるであろう。従来、暗やみに閉ざされたままになっていた政治犯監獄のすさまじさが浮き彫りにされているはずだ。
目次
そして、二・二八へ(日本から満州へ;二・二八事件とわたし;台湾人は中国人ではない)
恐怖と希望のはざまで(そして火焼島;われわれは政治犯;囚人達の生活)
苦悶する台湾(人質作戦;「台湾独立万歳」の雄叫のなかで;忘れえぬ難友たち)
台湾人の台湾を(さらに勇気をもって;相つぐ不幸のなかで;台独派と中共派;国際人権デーそしてハンスト;3度目の出獄を前にして;生ある限り)