内容説明
九州山地の初夏に美しい花を咲かせ、登山者の目を楽しませるミヤマキリシマ。この国の天然記念物を食い荒らす未知の害虫の正体を突きとめて、名花をよみがえらせた昆虫学者の、18年間にわたる害虫退治の記録。
目次
予備調査―最初の九重行
研究開始、早速に早合点
惨状に息をのむ
重要害虫は二種類いた
キシタエダシャクの生活史
害虫は自滅した!
アッと驚く忍者の出現
遂に害虫の正体暴く―クジュウフユシャクの生活史
過去の害虫の発生経過
二次加害害虫を警戒せよ
研究陣の充実と研究テーマ
害虫とその天敵、薬剤散布の功罪
誘蛾灯によるキシタエダシャク誘殺と発生調査
殺虫剤の研究
被害率の調査と被害許容水準の設定
害虫の管理体制
九重における害虫管理への提言
最後のつめ―キシタエダシャクの卵発見