出版社内容情報
著者は、12年をかけて可能な限りの資料と記録を調べ上げ、従来の定説を覆し
てハイデガーが初期から一貫して戦闘的なナチであったことを実証する。出版
と同時にヨーロッパの思想界がごうごうたる論争の坩堝と化した話題の書の完
全訳。ハーバーマスのドイツ語版序文付。
内容説明
本書は、今世紀最大の哲学者と言われるM.ハイデガーが、その思想の根幹からナチズムにコミットしていたことを、戦後の事実隠蔽にもかかわらず、彼の晩年の弟子が12年にわたる資料収集の結果、圧倒的な説得力をもって実証した。
目次
第1部 青年時代から学長になるまで1889年から1933年まで(メスキルヒと思想の原点初めての学校時代;イエズス会修練院とフライブルク神学生寄宿学校;マルティーン・ハイデガーのアーブラハム・ア・ザンクタ・クラーラ論;雑誌『アカデミカー』ハイデガーの寄稿論文;フライブルクからマールブルクへ;マールブルク『存在と時間』教授選考のいきさつ;フライブルクへの帰還とベルリン大学からの招聘〈1930〉)
第2部 1931年から1945年までの時期(フライブルク大学学長としてのハイデガー;ハイデガーの学長就任演説その前提とその影響;学長としてのハイデガー;ハイデガーと第三帝国の大学政策;ヒトラー支持とクリークとの反目;都会と田舎積極的な動機としての「故郷」への帰還;学長就任)
第3部 学長辞任以後の時代と1934年から1945年の発展(1934年8月の声明;ハイデガーと国家のイデオロギー機構)