内容説明
「毎日毎日ヤなことばっかり…。いっそのこと、こんな世界、壊れちゃえばいいのに」―夏休みに入ったばかりのお台場で、中学1年生の未来はそう思った。弟の悠貴に付き合わされロボット展を見にきていた未来だったが、はしゃぐ弟を横目に、反抗期真っ盛りの未来は退屈だったのだ。その瞬間、突然地面が激しく揺れた。東京を襲ったのは、未曾有のマグニチュード8.0の海溝型大地震。連絡橋は崩れ落ち、東京タワーは倒壊―一瞬にしてすべてが変わった東京。未来は悠貴の手をひき、お台場で出会ったバイク便ライダー・真理の力を借りながら世田谷にある自宅へ向かう。果たして3人は無事に家へ帰ることができるのか…。地震大国・日本―今、関東大震災を超えるM8.0の地震が東京を襲ったら…。膨大な取材データと関係者へのインタビューを基に、大地震の恐怖、極限状態での人と人との絆を描く、感動のスペクタル小説。
著者等紹介
高橋ナツコ[タカハシナツコ]
脚本家。日本脚本家連盟会員。実写ドラマやアニメ作品の脚本・シリーズ構成など多く手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヤスヒ
11
東京を襲ったマグニチュード8.0の大地震。建物倒壊、火災等で東京は一変する。携帯電話もつながらず交通網も遮断。お台場に遊びにきていた中1と小3の姉弟は偶然に知り合った32歳の女性と共に世田谷にある自宅に向かって歩きだすが…というストーリー。この小説は姉と弟の絆・家族というものにスポットがあてられている。読んでいてこの前の震災で帰宅難民になった時の事を思い出してしまった。家族への心配とそして自分自身の心細さ。この本はかけがえのない家族というものがすぐ側にあるという事を改めて思い起こさせてくれた。2011/12/16
katiyosan
6
アニメの方は見てませんが読んでみました。これはこれで良かったと思う。主人公が中1の女の子で、あの不機嫌なイライラとした感じは自分の中学時代を思い出させられてちょっと心苦いけど。対する弟の悠貴君が天使のように良く出来たお子さんでねー(´;д;`)サクサク読めて、あまり人間の内面のドロドロしたところがないお話なので小学生高学年ぐらいから読めるんじゃないかな。反面大人が読むにはちょっと物足りなかった感も。2010/09/21
セニー
5
地震の驚異をまざまざと見せつけれる一冊。東日本大震災を経験して大地震が遠い存在ではないと知った我々にとって考えなければいけない震災というもの。いつの世の人にもこの一冊は読んで欲しいと思う2014/02/28
景
5
アニメの方は見てないんだけれども読んでみた。さらっと書いてあるが一応震災のシミュレーション小説としては読めるかな。もう少し深く書いてもよかった気がするが。読んでいて絶体絶命都市を思い出したりしたけれど。地震の怖さは遭った者にしかわからないけれど、地震によって街が崩壊していく図はリアルだったかな。2010/06/02
いずむ
5
震災発生時のリアリティというよりは、姉弟愛とか隣人愛とかにスポットが当たっていました。すごく読みやすかったんですが、反面、精神面、情景面をもっと深く描いて欲しかったなぁ、っていうのが正直なトコロ。アニメ作品のノベライズだそうで・・・原作も気になります。2010/05/31