パイの物語

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  • サイズ A5判/ページ数 479p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784812415337
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

1977年7月2日。インドのマドラスからカナダのモントリオールへと出航した日本の貨物船ツシマ丸は太平洋上で嵐に巻き込まれ、あえなく沈没した。たった一艘しかない救命ボートに乗り助かったのは、動物たちを連れカナダへ移住する途中だったインドの動物園経営者の息子パイ・パテル16歳。ほかには後脚を骨折したシマウマ、オランウータン、ハイエナ、そしてこの世で最も美しく危険な獣―ベンガルトラのリチャード・パーカーが一緒だった。広大な海洋にぽつりと浮かぶ命の舟。残されたのはわずかな非常食と水。こうして1人と4頭の凄絶なサバイバル漂流が始まった…。2002年度ブッカー賞受賞作。

著者等紹介

マーテル,ヤン[マーテル,ヤン][Martel,Yann]
1963年スペイン生まれ。外交官の家に生まれた彼は、幼少・青年時代をコスタリカ、フランス、メキシコ、アラスカ、カナダで過ごし、大人になってからもイラン、トルコ、インドと世界を転々としている。トレント大学で哲学を学んだのち、植栽、皿洗い、警備員など風変わりな仕事をするかたわら、執筆活動を開始。27歳で作家として生計を立てるようになった。主な著書に小説「Self」、ジャーニー賞受賞作の短編集「The Facts Behind the Helsinki Roccamatios」がある。現在はカナダのモントリオール在住

唐沢則幸[カラサワノリユキ]
1958年生まれ。長野県出身、青山学院大学卒。翻訳のほかに、書評なども手掛ける
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kochi

26
インドのポンディシェリで動物園を経営するパテル家。一家で海路カナダへ移住する途中に船が難波し、次男のパイ・パテルだけが救命ボートにたどり着いた。しかし、救命ボートには、動物園の凶暴なベンガルトラ「リチャード・パーカー」も同乗することに。猛獣と共に漂流することとなったパイ少年が壮絶な環境をサバイバルする海洋冒険小説と思い読み進めると、ラストでは、読む者に意外な選択を迫る。とにかく一筋縄ではいかない小説。映像化は、最初に候補にあがっていたシャマランの方が、あっているような・・・2012/11/28

いの

21
神とは心のなかで守るべきもの。怒りは自分自身に向けるべきもの。立ち止まって考えてしまうフレーズの嵐にのみ込まれそうになります。この本は映像の透明感に魅せられ文字でどんな表現をしているのか気になっていてやっと今頃に読み終えました。227日の漂流の間に野性と理性が戦っていて究極の状態を開放しています。「生」のためには適応するしかないと。勇気と知恵を私達は授かっているのです。驚きの結末が用意されていました。でも私は私の想像力でこの本を自分の感じたように楽しみたいと思いました。2019/11/22

きりぱい

12
インドで経営していた動物園を売ってカナダへ移住しようとする一家。その船が太平洋上で沈没。16歳のパイ少年が救命ボートに乗り合わせたのは、シマウマ、ハイエナ、オランウータン、そしてベンガルトラとあり得ない状況!極度の恐怖に打ち克ち、いかに知恵を働かすか緊迫のサバイバル。大詰めで辿りつく島に慄然とさせられたり面白いのだけど、ブッカー賞にしては児童文学っぽいノリだなあと思っていたら、ラストで虚をつかれてがく然!信用ならざる語り手の翻弄に納得のすごさ。2010/10/31

愛玉子

11
映画の予告をみて、軽い気持ちで手にとった本。虎といっしょに漂流する少年の壮絶なサバイバルは、時に血なまぐさくもファンタジックな色合いで、安心して読み進めていると、突然自分の足元が硬い地面ではなく頼りないボートだったような、そしてそのボートをひっくり返されたような衝撃を受ける。ブッカー賞と聞いた気がしたけど、こんなヤングアダルトな装丁だし勘違いだったか…と思ったら、納得の結末でした。日本人の扱いだけが少々納得いかないけれど^^;2013/01/18

カツイチ

10
読んでよかった。素晴らしい物語。前半の動物と動物園についての薀蓄や宗教をめぐるドタバタの体験が、読み物として十分面白いんだけど、本編では重要な芯になる。パイの機転と知恵、勇気。リチャード・パーカーのしなやかさ美しさ。描写は幻想的なのに的確。ミーアキャットの島なんてすごいよね。第三部をどう読むかは、ひとそれぞれ(コチコチの日本人としてはこれでオチをつけたいところ)。まだ、読んでない方、ぜひおススメです。2014/10/11

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