内容説明
女性は子どもを産んだら、子ども中心に生きる存在になるの?母性信仰や三歳児神話など、「子育て母親がするもの」という世間からの圧力を感じながら、保育所に子どもを預ける女性たち。彼女たちは託児実践をつうじて、何を受け入れ、何に挑んでいたのだろうか?母親、保育施設スタッフの両者の聞き取り調査を通して、フェミニズムの視点から捉える。
目次
序章 「母」というひどくつまらない存在
第1章 フェミニズムの母性研究、再訪―「ふつうの母親」を探して(データにみる、日本社会における女性の母親業;女性はなぜ母親業をするのか;母親の実践への注目)
第2部 託児にふみきる―二〇〇〇年代、認可外保育施設の「一時保育」を利用する女性(認可外保育施設「ばぁばサービスピノキオ」のフィールドワーク;「一時保育」をめぐる困難;高齢女性による託児への期待とその背景;「移行期世代」の子育てからかんがえる、ピノキオのサービスの近代性;託児にふみきる―ピノキオを利用する女性たちの実践)
第3部 二〇〇〇年代以降の変化をめぐって(「団塊ジュニア世代」と産み育ての個人化;母親の就労の増加と「専業主婦」をめぐる社会的認識の変化)
第4部 乳児をあずけ、はたらく―二〇二〇年代、認可保育所の「乳児保育」を利用する女性たちの実践(乳児保育の現状と調査の概要;「乳児保育」をめぐる困難;家族を運営する―乳児をあずけてはたらく六名のライフスタイル;「三歳児神話」を反復する、書き換える)
終章 ふたたび、「母」というひどくつまらない存在をめぐって
著者等紹介
村田泰子[ムラタヤスコ]
関西学院大学社会学部・社会学研究科教授。2003年に京都大学大学院文学研究科博士後期課程社会学専修を研究指導認定退学。2007年、博士(文学)。専門は家族社会学、ジェンダー研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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