内容説明
昆虫カメラマンの著者が気づいた、虫が暮らす環境の変化。そして環境の変化がもたらした、虫の変化。カブトムシに、そしてカブトムシが暮らす環境に、今何が起こっているのでしょうか。
目次
クワガタ探して雑木林へ
朽ち木から出てきたカブトムシ
少年時代のあこがれ
カブトムシだらけの山梨の雑木林
二つの林
人の生活が支えたカブトムシの暮らし
雑木林がへんだ
小さなカブトムシの出現
樹液が出る仕組み
里山から消えるカブトムシ
奥山はカブトムシのふるさと
カブトムシ、山へ帰る
人と自然が助け合う世界
著者等紹介
山口進[ヤマグチススム]
1948年三重県生まれ。昆虫写真家・自然ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BlueBerry
45
青少年読書感想文全国コンクール課題図書。小説ではなくて、カブトムシの生態についての解説と現状の把握、今後の推移の推測あたりが内容ですかね。2014/04/10
FOTD
25
カブトムシが小型化したのはどうしてか、と考察する昆虫写真家の山口さん。変化する生息地の環境、人工的な里山と自然の奥山、樹液の出方、などなどまとめて本にしていただけて良かった。 私の庭でも倒木の下にカブトムシの幼虫や蛹を見ることはあったが、それが当たり前だと思っていたので、特に気に留めていなかった。サイカチが裏庭にあるが、カブトムシは自身で枝に傷をつけて舐めているようだ。こちらでも個体数が減ってるように思える。 自然を破壊することは私たちの未来を失うことだというようなメッセージを感じた。2023/08/09
punyupunyu
20
長男の課題図書。昆虫採集が好きで、子どもが幼稚園に入ることからカブトムシやクワガタムシを探して雑木林などを探検しました。私も西日本出身で、子どものころを思い起こすと、見かける甲虫はカナブンや玉虫、せいぜいコクワガタでした。関東に移り住んで、カブトムシやクワガタの種類が多いことに驚きました。長い年月をかけたフィールドワークと住環境・自然環境の推移を基にした考察をベースに本書は構成されており、大変わかりやすく、なるほどとつぶやきたくなるような部分が随所に見られました。有意義な一冊です。2014/08/30
のぶのぶ
15
しずおかにある林は、照葉樹林なのだろう。カブトムシが少ないわけだ。雑木林人の手が入り、何度も再生できる、そして、人も自然もともに繁栄できる世界だとわかった。今は、その雑木林も減っているのだろう。カブトムシのとっては、天国なのだろう。小型化しているが、本来の姿に戻るのだろう。雑木林、近くにあったらと思うが、整備できないだろうなあと思います。本に出てきたオオムラサキセンターに行ってみたい。オオムラサキのきれいさ、見事です。切られることで、樹液が出る、知らなかったなあ~。2014/08/03
もえたく
15
今年の小学校5,6年生の課題図書。昆虫カメラマンの著者が最近見かける小型化したカブトムシから里山の今を解き明かしてくれる。謎解きのようで、読み終わってこの題名に納得させられた。来年に向けて、今飼っているカブトムシの子供たちを小型化してみたくなった。2014/06/23