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内容説明
山一は、何故、2648億円もの損失を隠蔽できたのか。その理由・実態を明らかにすることは、山一の監査を担当した監査人にとって義務であろう。本書において、山一證券の経営破綻後、これまで明らかにされてこなかった「含み損を隠し続けることが出来た原因」、山一證券が監査人に対しておこなった「監査妨害行為の実例」、監査手続によって問題点に到達できなかった「山一事件を巡る特異性」を明らかにする。そしてさらに、監査責任を巡って監査人が経験した法廷闘争を白日の下にさらし、「期待ギャップ」の解消、監査制度の健全な発展に寄与したい、と考える。
目次
第1章 社内調査報告書に対する監査人の見解
第2章 監査責任に関する公的機関の判定と「法的責任判定委員会」の誤った結論
第3章 「法的責任判定委員会」報告書誤りの具体的理由
第4章 残念な破産管財人訴訟における和解勧告の受け入れ
第5章 山一株主訴訟の概要と東京地裁・東京高裁における監査人の勝訴判決
第6章 過失が無いことを認めた判決と「職権による和解勧告」との比較論評
第7章 最高裁の決定までに10年余を要した「集団的」なオンブズマン訴訟
第8章 真実に反する報道・著述及び判決に対する見当違いの批判論文の出現
第9章 監査人の眼から見た山一事件を巡る数々の特異性
第10章 監査制度の健全な発展のための施策