内容説明
これだけは知っておきたい選りすぐりの名筆。一冊で中国三千年の書道史をダイナミックに見渡す。書人の生い立ちや逸話を通し、書から人物が見える。歴代の名筆がなぜ今も私たちの心を打つのかが一目ではっきりわかる。書風を通観し、書から中国史の真実が明らかになる。
目次
第１章 古代文字の時代 殷～漢（紀元前１３～紀元３世紀）―文字の誕生から漢字の祖形の成立まで
第２章 現行書体の完成期 三国時代～隋（２２０年～６１８年）―楷書・行書・草書の誕生から確立期
第３章 楷書の黄金時代 唐・五代（６１８年～９６０年）―規範としての楷書の確立と新しい表現の展開
第４章 自由な表現の展開 宋・元（９６０年～１３６８年）―書人の個性が反映されたさまざまな書風
第５章 現代につながる多彩な表現 明・清（１３６８年～１９１１年）―長条幅連綿草と、碑学・帖学の二大潮流の展開
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobito
0
書史の本を読んでいて不満に思う事は、書の解説において「美しい」とか「力強い」などの抽象的な感想を持ってその書の解説としている点である。時系列に沿って書の変遷を伝えようと思う気ならば、その書が前時代と比べて筆法、構成法、書きぶりなどでどのような違いがあり、どのような特徴があるのかを解説して欲しい。残念ながらこの本もそのような欠点を克服できなかった一冊です。とはいえ手持ちの中では図版が見やすく、価格も安く、手軽に持ち運べるなどの便もあって、手元に置いている本となっています
