出版社内容情報
「どうしたら合理的で安全な登山ができるか」マラソンや野球などのスポーツ分野で、能力アップと安全性向上のために注目されている「運動生理学」を、登山部門に適用した、国内初の話題作である。運動生理学とは、人間が運動をするときの身体の仕組みを明らかにして、どうしたら運動をより効率的に行えるかを考える学問。内容は、「登山で疲れる原因は何か」「中高年や女性登山者でも疲れないためには?」「快適なトレーニングのABC」「あなたにもできる高所登山」など登山全般を網羅。著者は、ヒマラヤをはじめとする高所登山家であると同時に、スポーツ医学の専門家。ヒマラヤを実験室に、自分を被験者にして、データを集積・分析した。初級者からベテランまで幅広い登山者に読でもらうために、「専門用語はできるだけ易しく言い換えた」。
内容説明
著者自らを実験台に得た科学的データをもとに、疲労しない山歩き、トレーニングなどを解説。「運動生理学」を登山部門に適用した、国内初の話題作。初心者からヒマラヤ登山者まで、必読の生理学百科。
目次
第1部 基礎編(登山と健康;登山と疲労;中高年者、女性、子供の登山;登山と体力トレーニング)
第2部 発展編(クライミング;高所登山)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ken.
3
小学生の時から山に登りはじめて以来、事前準備はしっかり行ってきたが、いざ登山となると経験だけで乗り切ってきたように思う。まだまだ若いと自負している一方で、このまま勢いに任せて登山を続けるのも良くないと思い始め、本書を手に取った。経験的に感じていることがデータに裏打ちされていたり、経験上「なんとかなってきた」ことが、実は身体に負担をかけることだったり(私は、特に食事を軽く見ていた)と、読んでおいて良かった。本書だけではトレーニングの部分が期待より少なかった。山本氏が書いた別の本にあたろうと思う。2021/05/04
Masami Hirata
1
炭水化物を摂らないと脂肪が燃えない。登山をする人は水を摂る量が少なすぎるというのが、知らない知識だった。登山へ登る上で必須な知識をなぜそうなのかを含めて教えてくれる。山を登る人にとっては大切な本だ。2018/12/06
Yu tomi
0
とりあえず、山に登る人ならば一読しておいて欲しい。 ATとVO2maxと炭水化物と水分補給は認識しておきたい。2015/01/06
npu
0
以下の著者のこだわりを高く評価したい。 1.なぜそうした方がいいのか、実験データと照らし合わせながら理由を詳しく解説。こうすればよいを謳うハウツー本とは一線を画す内容を目指した。 2.これまでの研究から結果が予想できそうなことも再実験を試みた。各分野の第一線で活躍する人物のほかに著者自身が被験者となり、データの確実性と普遍性を追求した。 3.運動生理学,健康科学,スポーツ医学,トレーニング科学への入門の足がかりとなるべく、専門用語をわかりやすく置き換え、難解なメカニズムを徹底的に噛み砕いた。2012/06/26
sumitarou
0
登山時における自分に適したペース(心拍数)、必要な水量、必要なカロリー量などが、その理屈も合わせて分かる。ちなみに私の場合は、心拍数147回/分、水1,340~2,680ml、カロリー1,608~2,412kcal。2011/12/15