出版社内容情報
酒は「百薬の長」と同時に「地獄の水」であるように、ヒトと「ココロに効く物質=ドラッグ」との付き合い方を探る。チョコレートからヘロインまであらゆるドラッグをとりあげて文化史的に検証しつつ、タバコ、コーヒー、マリファナ、LSDなどの効用と害について再考する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
130
一種の精神安定に繋がったり、気分を変える物質としてチョコレートも含んだあらゆるものの体に及ぼす作用を解説しながら、いわゆる「依存」することの恐ろしさと現実が詳細に書かれた本。読みながら、ドラッグだけでなく、酒やタバコ、コーヒーや風邪薬でさえ、結局依存すれば何でも同じだなと思った。ようは使い方次第。情報としての古さはあるが、巻末にはさまざまな「中毒」にかかった人の体験記が集められており、1980年代までのドラッグカルチャーを知るのはなかなか興味深かった。2014/06/05
藤月はな(灯れ松明の火)
42
Takumiさんの感想がきっかけで読んだ本。阿片、LED、コカ、覚醒剤以外の煙草、チョコ、珈琲、酒などの嗜好物や風邪薬、咳止めシロップなど薬局で購入できる薬も使用方法や過剰摂取次第では中毒となりやすい。特にお酒については以前、油ものを食べた後に一杯の焼酎を飲んだら酔いが予想以上に早く廻って呑み会を中座しなければならなかった思い出があったので苦笑。最後にはアメリカの薬への過剰期待とドラッグ使用者や中毒になった人たちの「悪い側面だけではなく、自分にとっては有益なこともあった」という声が載っているのは貴重かな。2014/06/17
くさてる
16
86年発行の本。というわけで古さはあるけれど、ヘロインやチョコレート、マリファナやアルコールというドラッグ自体は、そんなていどの年月は軽く笑ってしまうほどの昔から存在しているので問題ないのだろうなあ。人間の精神に影響を与える物質の奥深さと底知れなさが知れた気がしました。2015/07/05
猫
7
さまざまなドラッグの、種類・性質・上手な付き合い方などを紹介している本。ドラッグに良い悪いはなくて、使い方に良い悪いがあるのだというスタンス。世に言われる「ドラッグの怖さ・危険性」はそれを排除するために過剰に感情的に掻き立てられている部分も大きいとか。アルコールやニコチンも、ヘロインやマリファナも、毒性や常習性、上手にコントロールできる可能性はたいして変わらないのに、方や合法、方や違法なのは何故か…など。アメリカの話だけど、なかなか興味深かった。2015/05/30
kera1019
6
30年くらい昔の本やしアメリカとはドラッグ事情も全然違うから実践書としては現在の日本とかけ離れててシックリけ〜へん。けど、読み物としては広量にわたって網羅してあって格物致知、得心するトコロもあって面白かった。 2012/08/03