貝と文明―螺旋の科学、新薬開発から足糸で織った絹の話まで

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貝と文明―螺旋の科学、新薬開発から足糸で織った絹の話まで

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  • サイズ B6判/ページ数 365p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784806715276
  • NDC分類 484
  • Cコード C0045

出版社内容情報

気鋭の海洋生物学者が、古代から現代までの貝と人間とのかかわり、
軟体動物の生物史を鮮やかに描き出す。数千年にわたって貝は、
宝飾品、貨幣、権力と戦争、食材など、
さまざまなことに利用されてきた。
人間の命が貝殻と交換され、
幻覚を起こす薬物としても使われ、
医学や工学の発展のきっかけもつくる。
気鋭の海洋生物学者が、
古代から現代までの貝と人間とのかかわり、
軟体動物の生物史、
そして今、海の世界で起こっていることを鮮やかに描き出す。


日本の読者のみなさんへ

プロローグ

Chapter1 誰が貝殻をつくるのか?
軟体動物は何種類いるのか
熱水噴出孔にいる軟体動物
軟体動物とはどんな生き物か
ことの始まり──バージェス頁岩(けつがん)
軟体動物の祖先?──ウィワクシア
軟体動物が先か、貝殻が先か
防弾チョッキに穴をあける歯──削り取り、噛み砕き、つき刺し、銛(もり)を打つ
サーフィンを覚えた巻貝──足
1000に1つの殻の使い方──外套膜(がいとうまく)

Chapter2 貝殻を読み解く──形・模様・巻き
イポーの丘で見つかった巻貝
螺旋の科学
貝殻をつくる四つの原則
貝殻の仮想博物館──考えられる限りの貝殻の形
なぜ形が重要なのか
右巻きと左巻き
自然界のお遊び──模様
マインハルトのシミュレーション・モデル
理論を裏づける証拠
軟体動物の日記を解読する
コウイカの模様の解明北極地方の落葉樹林

Chapter3 貝殻と交易──性と死と宝石
貝殻の持つ神秘の力
最古の宝飾品
不平等の兆候
世界中で使われたスポンディルスの貝殻
旅するタカラガイ──貨幣
奴隷とタカラガイ
ヤシ油と貝殻貨幣

Chapter4 貝を食べる
セネガルのマングローブの森で
イギリス人と貝
好ましい海産物?
事件の全容──貝毒による被害の原因
誰がシャコガイを食べたのか
カキの森の守護者──ガンビア
トライ女性カキ漁業者協会
2日にわたるカキ祭り

Chapter5 貝の故郷・貝殻の家
失われたカキ漁
カキと生物群集
カキ漁の復活をめざして
カキの冒険
生育の足場になるカキ殻
共同体をつくる炎貝
ヤドカリ──殻をつくるのをやめたカニ
順番待ちするオカヤドカリ
ヤドカリに居候する生き物たち

Chapter6 貝の物語を紡ぐ──貝の足糸で織った布
海の絹でつくられた伝説の布
ピンナの足糸
シシリアタイラギと海の絹
海の絹の神話と現実
海の絹の産地──ターラントとサルディニア
海の絹を織る姉妹
海の絹の殿堂──足糸(そくし)
極秘の足糸の採取方法
シシリアタイラギと共生する生き物

Chapter7 アオイガイの飛翔
殻をつくるタコ
オウムガイの殻
アンモナイトが祖先?
蛇石(へびいし)と雷石(かみなりいし)
肥料になったコプロライト(糞石)
アンモナイトかアンモノイドか
白亜紀末の大量絶滅とアンモナイト
19世紀にアオイガイを調べた女性──お針子から科学者へ
自分で殻をつくるアオイガイ
アオイガイの奇妙な性行動
ジェット噴射

Chapter8 新種の貝を求めて──科学的探検の幕あけ
オウムガイでつくられた器
海外遠征した博物学の先駆者たち
科学的探検の幕あけ
新種の貝を求めて太平洋を横断──ヒュー・カミングの探検
2度目の探検──中南米の太平洋岸
サンゴ三角海域へ──フィリピン諸島
商取引されるオウムガイ
カミングの標本と有閑階級
ロンドン自然史博物館に収蔵されたカミングの貝コレクション
貝の図鑑──『アイコニカ』と『シーソーラス』

Chapter9 魚を狩る巻貝と新薬開発
イモガイの秘密をあばく
複合毒素の複雑な作用
貝毒から薬をつくる
生物接着剤になったイガイの足糸
二枚貝がつくり出す液状化現象
割れない殻の秘密──真珠層
巻貝の鉄の鱗
危機に瀕するイモガイ

Chapter10 海の蝶がたてる波紋──気候変動と海の酸性化
海の蝶を訪ねて──グラン・カナリア島
海の蝶の不思議な生態
酸性度の問題
石灰化生物たちの困惑
軟体動物が受ける酸性化の影響
死滅への道を歩む海の蝶
海の蝶の糞の役割
生態系を調べる手段
酸性化の時間
海の酸性化と科学者
人間の活動と海

エピローグ
貝の蒐集について
用語解説
謝辞
訳者あとがき

本文に登場する書籍(原著名)の一覧
参考文献
索引

地図
大西洋
イギリス
イタリア
太平洋

ヘレン・スケールズ[ヘレン スケールズ]
イギリス生まれ。海洋生物学者。
ケンブリッジを拠点に活動している。
学位論文は、巨大な絶滅危惧種の魚をボルネオで探すこと。
カリフォルニアでサメに標識をつけたこともあり、
アンダマン海にある100の島々のまわりでとれる海の生き物のリストをつくるのに1年を費やしたこともある。
BBCラジオにたびたび出演し、サーフィンの科学、サメの頭脳の複雑さなどをテーマに、ドキュメンタリー番組を放送している。
王立地理学会の会員。ケンブリッジ大学で教鞭をとっている。

林 裕美子[ハヤシ ユミコ]
兵庫県生まれ。信州大学理学部生物学科卒業。同大学院理学専攻科修士課程修了。
おもに生命科学分野の英日・日英の技術翻訳を得意とする、HAYASHI英語サポート事務所を運営。
監訳書に『ダム湖の陸水学』(生物研究社)、『水の革命』(築地書館)、訳書に『砂──文明と自然』(築地書館)、『日本の木と伝統木工芸』(海青社)。 大学で学んだ生物学・生態学の知識を生かすために、さまざまな団体に所属して環境保全活動にも携わる。
宮崎野生動物研究会(アカウミガメ保護)、ひむかの砂浜復元ネットワーク(砂浜保全)、てるはの森の会(照葉樹林の保全)、信州ツキノワグマ研究会など。

内容説明

数千年にわたって貝は、宝飾品、貨幣、権力と戦争、食材など、さまざまなことに利用されてきた。人間の命が貝殻と交換され、幻覚を起こす薬物としても使われ、医学や工学の発展のきっかけもつくる。気鋭の海洋生物学者が、古代から現代までの貝と人間とのかかわり、軟体動物の生物史、そして今、海の世界で起こっていることを鮮やかに描き出す。

目次

1 誰が貝殻をつくるのか?
2 貝殻を読み解く―形・模様・巻き
3 貝殻と交易―性と死と宝石
4 貝を食べる
5 貝の故郷・貝殻の家
6 貝の物語を紡ぐ―貝の足糸で織った布
7 アオイガイの飛翔
8 新種の貝を求めて―科学的探検の幕あけ
9 魚を狩る巻貝と新薬開発
10 海の蝶がたてる波紋―気候変動と海の酸性化

著者等紹介

スケールズ,ヘレン[スケールズ,ヘレン] [Scales,Helen]
イギリス生まれ。海洋生物学者。ケンブリッジを拠点に活動している。学位論文は、巨大な絶滅危惧種の魚をボルネオで探すこと。BBCラジオにたびたび出演し、サーフィンの科学、サメの頭脳の複雑さなどをテーマに、ドキュメンタリー番組を放送している。王立地理学会の会員。ケンブリッジ大学で教鞭をとっている

林裕美子[ハヤシユミコ]
兵庫県生まれ。信州大学理学部生物学科卒業。同大学院理学専攻科修士課程修了。おもに生命科学分野の英日・日英の技術翻訳を得意とする、HAYASHI英語サポート事務所を運営。大学で学んだ生物学・生態学の知識を生かすために、さまざまな団体に所属して環境保全活動にも携わる。宮崎野生動物研究会(アカウミガメ保護)、ひむかの砂浜復元ネットワーク(砂浜保全)、てるはの森の会(照葉樹林の保全)、信州ツキノワグマ研究会など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Koichiro Minematsu

36
図書館本。貝殻をつくる軟体動物の歯舌、粘液などの脅威的生態に驚き。貝殻の巻きの数式と対数螺旋の美しさに魅力を感じ、また貨幣の代わりになっていたのは、偽物を作るのが難しいという理由に、今の偽札防止加工の考えと同じと納得し、貝へんがお金にまつわる漢字になっているのも頷けた。研究成果や昔からの言い伝えなど、レアさに富んだ1冊でした。海岸で見つけた貝殻の美しさについ手にとってしまう人の心理がわかる気がします。貝殻は魅力的なんです。 2019/07/15

おーすが

13
なんとなく読みづらいのは途中図がないせいだろうか。でも、貝について広く網羅されていて一冊持っていると繰り返し楽しめそうだなあとも思う。ガンビアの牡蠣祭り、海の絹など文化的なはなしも充実している。いや、むしろそっちが割と多めで自然科学的好奇心で読み始めると挫折するかも(タイトル通りではある)。原題はSpirals in Time。表紙のコロモガイがとてもきれい。貝を拾いにいきたくなりけり。2021/08/09

723

4
軟体動物の圧倒的な多様性に驚く。イモガイの毒、将来性ありすぎてとてもロマンチック。瞬時に魚動けなくするくらいのインシュリン出してるってすごい。 私が一番興味を引かれたのは最終章の環境問題にフォーカスした章。海が地球の二酸化炭素を三分の一も吸収してくれていること、そして長い時間をかけて参加した海水を中和させること。地球の圧倒的に合理的なメカニズムに驚きつつも、それを凌駕するペースで人間が環境破壊をしているというのがどんなに重大なことか身につまされる。いつまでも海の蝶がいる海を保ちたい。2017/08/27

びっぐすとん

4
図書館本。新聞書評見て。図書館の受取りカウンターで挫折を予感した。翻訳も読みづらい。なんとか気になるところだけ読んでみた。現在は貝は右巻きが主流で、同じ貝でも右巻きと左巻きのペアには子供が出来ないらしい(向きが合わないらしい、何の?)死ぬこともある毒を持つイモガイは神経への作用という点から医療・新薬の分野で注目されてるそうだ。シシリアタイラギという貝の足糸から織物!が作られ「海の絹」と呼ばれているが、貝の採集が禁止されてしまったのでもう幻の布になりつつあるそうだ。余程の貝好きじゃないと読めない本だった。2017/02/13

桔梗屋

3
子供の頃から水棲生物大好きでな…海水浴に行くたびに、カニやヤドカリ、フジツボやウミウシを捕まえてきて、家に持ち帰ろうとしては怒られてきたのです。学研の図鑑『水の生物』は『宇宙』『クモ』とともに小学生時代のバイブルでした。貝をはじめとする軟体動物は、地球の表面積の7割を占める海洋を中心に生息する、生物界の一大派閥。あまりに多過ぎるのと、分布が広過ぎるせいで、全容の把握は現代に至っても無理、という、まさに「最後のフロンティア」はここにあったんやね、と。副題にあるように、エピソードも多岐にわたっておりますね。2017/05/13

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