出版社内容情報
子どもの心を育てる聴き方・話し方、子どもとのよい関係を築くためのスキルを、具体的にわかりやすく紹介します。
親子問題に取り組んできた著者、待望の書き下ろし。
上司・部下・同僚など職場での人間関係、友人との関係をより良くするための会話能力開発トレーニングにも最適です。
【書評再録】
●毎日新聞評(2000年8月16日)=問題があるときの解決法、また親としてノーと言わねばならないときなど子どもとの大切なスキルを説く。
●読売新聞評(2000年8月31日)=子どもたちが自分の感情を考え、要求をきちんと表現できるような聴き方、子どもの人格や存在を傷つけずに親の考えや感情などを子どもに伝える方法を、わかりやすく述べている。
●月刊クーヨン評(2000年9月号)=子どもとのコミュニケーションだけでなく、大人同士の関係に悩むひとにも大いに参考になる。
【読者の声】
■女性(34歳)=私は子どもがいるわけではないのですが、“コミュニケーション”に関する本が欲しくて買い求めました。これほどよくまとまって、判りやすく、勉強になる本はなかったと思います。
■女性(33歳)=わかりやすく、読みやすい。専門書ばかりを読んでいると、難しい内容で実行困難なものが多い。この本は、身近なことで、実行できそう。
【内容紹介】本書「はじめに」より
話さなくてもわかり合えるというのは誤りです。わかった、とお互いに勝手に錯覚しているだけなのです。わかったつもりで放っておくと後でたいへんなことになるといった経験は、あなたにもあるでしょう。
私たちが自分の生活を語ることは、同じように生活をしていてもそれぞれに違いがあることを知り、またお互いの違いを認め合い、そこから人と人との関係が生まれてくることにつながります。
日本語はコミュニケーションの成り立たない言語で、日本人はコミュニケーションができないのかというと、そんなことはありません。
コミュニケーション・スキルは本能ではなく意識活動なのですから、トレーニングすることが可能で、トレーニングさえすればコミュニケーション・スキルは誰にでも身につくのです。
しかし、トレーニングのためには、まず、コミュニケーション・スキルの情報が必要で、そのためにも、コミュニケーション・スキルの本を著したいとずっと思っていました。
特に今回は、「子どもとのコミュニケーション」に焦点を当てることにしました。
それは、ふだん接している多くの親や学校の教師たちから、子どもとどうかかわったらよいかわからない、という悩みをたびたび聞いていたからです。
1990年代に入って、日本の子どもたちが変わった、わからなくなったという声をよく聞きます。子どもが変わったのではなく、価値観が多様化し、社会全体の変化が子どもの世界にも影響しているということでしょう。
今の子どもたちを理解するには、「子どもは子どもらしくあらねばならない」という鋳型にはめることなく、子どもの心の動きや行動をあるがままに見ることだと思います。
親や教師は子どもがわからなくなったら、率直に子どもに質問することです。わからないから教えてと、子どもとコミュニケーションをとればいいのです。コミュニケーション・スキルを大人がまず身につけて、子どもの話を能動的に聴くことです。子どもが自分にとって大切な話を大人にできないとしたら、それは100%、聴く側の大人の問題です。
大人がよい聴き手にならないかぎり、子どもはよい話し手にはなれません。子どもはよい聴き手を得ることで、よい話し手になれるばかりではなく、よい聴き手の手本も得ることになるのです。
そうすれば、子どもどうしの暴力もなくなるでしょう。暴力とは感情の爆発であり、コミュニケーションの成り立たない場合に起こりやすいのですから。
【主要目次】
▲▲1.聴くこと
人の話を聴けなくするもの
人の話を効果的に聴く
▲▲2.表現すること
表現の4つの種類
効果的に表現しよう
▲▲3.子どもとのコミュニケーション
子どもの話を聴く方法
子どもへの表現のしかた
子どもと一緒に問題解決をする
ナオミとカズオの場合……一緒に問題解決をする
「ノー」を言わなければならないとき
子どもに接するときに大切なのは
目次
1 聴くこと(人の話を聴けなくするもの;人の話を効果的に聴く)
2 表現すること(表現の4つの種類;効果的に表現しよう)
3 子どもとのコミュニケーション(子どもの話を聴く方法;子どもへの表現のしかた;子どもと一緒に問題解決をする ほか)