内容説明
貧困、飢餓、抑圧、疎外、差別などのない社会構造を探究。
目次
1 暴力、平和、平和研究
2 帝国主義の構造理論
3 冷戦・平和・開発―大西洋と太平洋、二つの戦域の比較
4 東欧1989年秋 なにが、なぜ起こったのか―理論的スケッチ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Rusty
3
冷戦期~その終わりにかけて書かれた文章だが、帝国主義についての考察、「核抑止力至上主義」など現在でも参考になる考え方と思う。帝国主義の構造について、民族意識を煽った分割統治という枠組みはよく見かけるが、中心国のエリート層と周辺国のエリート層の利益調和、そして中心国・周辺国それぞれの内部でのエリート層と下層民衆の利益不調和という枠組みにハッとさせられた。だからこそ、周辺国ではそのエリート層と中心国とのつながりを切り崩していかなくてはならない、と。2016/03/30
やまべ
1
すでに「歴史」となった事象に関する理論的な文献であっても、「いま、ここ」に関する手掛かりがたくさん含まれているのだなぁと感じさせる。それにしても、最後の最後でなにやら神秘主義的な主張が唐突に出てくるのはなぜなんだ……。2013/07/24
みよしの
1
暴力と平和について、定義づけされている。平和には構造的暴力と個人的暴力の不在という二つの側面があると言及し、平和研究にとって真の貢献とは、社会正義、個人的暴力の不在どちらもの実現を目指すことであると述べている。平和について考える上で参考になる本であると思う。2012/11/22
ワッキー提督
1
「消極的平和」「積極的平和」の概念や分析など興味深い点も多いが、全体としてイデオロギー的な点が鼻についた。大学図書館にて。2012/11/12
0_felicitas
0
一読した。構造的暴力と飢餓を結びつけることは困難ではないか、あるいは米ソのイデオロギー対立を中心とする国際的な視野が必要なのではないかということを感じた。2013/05/10