内容説明
本書は、現在の中国、内蒙古自治区にある、オングト族の都の跡、オロン・スム遺跡の発見から調査に至る経緯と、景教ならびにカトリックの教会址や遺物の問題、更に遺物の様式から見たその景教の系統、カトリックの信仰が導入されるまでの世界史的背景などを論じた三つの論文を日本語と英語の両分でまとめたものである。
目次
第1章 元代オングト部族の王府址「オロン・スム」の調査(オングト部族についての歴史的背景と問題点;オングト部族の遺跡―王府址など―の発見;オングト部族遺跡の調査の経緯 ほか)
第2章 元代蒙古のオングト部族におけるネストリウス派キリスト教の系統とその墓石(オロン・スム土城内のネストリウス派教会堂址;オロン・スム土城内の十字墓石;ネストリウス派墓石の様式とその系統観)
第3章 イタリア人モンテ・コルヴィノによるローマ・キリスト教会の東方宣教とその動機(13・14世紀のユーラシア;モンゴル諸ハンと教皇庁;モンテ・コルヴィノ東行の背景 ほか)