内容説明
ブコロフが存在を確信するLUCA―「全生物の共通祖先」は、植物界の幹細胞ともいうべきもので、人類に大きな恩恵をもたらす可能性と同時に、生物兵器として悪用した場合には地球の生態系を壊滅させる力も秘めていた。百年以上前の植物学者の日誌に残されていた「黙示録の種子」の言葉と謎の暗号を手がかりに、タッカーたちはナミビアの山岳地帯の洞窟に向かう。ボーア戦争当時、イギリス軍と戦うボーア人たちが砦として立てこもったその洞窟で、タッカーはLUCAの捜索を行ないつつ、敵を迎え撃つための準備を進める。果たしてタッカーはLUCAを発見できるのか?悪の手からLUCAを守り切ることができるのか?地球の生態系の未来を賭けた最終決戦の時が、刻一刻と近づいていた。
著者等紹介
ロリンズ,ジェームズ[ロリンズ,ジェームズ] [Rollins,James]
1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始めた
ブラックウッド,グラント[ブラックウッド,グラント] [Blackwood,Grant]
アリゾナ州在住。海軍を除隊後、作家活動を始める
桑田健[クワタタケシ]
1965年生まれ。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
137
ロシアから南アフリカへと舞台が転換して最初の戦争の場面につながります。殺し屋も生きていて、最後にはやられてしまうのですがあまりにもかわいそうな最後でもう少し何とかならなかったのかなあという気がします。この主人公と犬は本当に一体感があって、楽しめます。次の訳は今年出るのでしょうね。2017/02/08
たち
35
あんなに寒そうだった上巻と、対照的に下巻は、熱い南アフリカが舞台。生物兵器にもなる『LUCA』を探してタッカー達は洞窟のなかへ。そこで、真の裏切り者がわかります。次から次へとピンチが襲いかかり、読んでいて、生きた心地がしませんでした。タッカーが人は簡単に撃ち殺すのに、動物は殺せないところが面白いと思いました。2018/02/03
トムトム
32
軍用犬の気持ち。ケインのようであってほしい。椋鳩十さんの「孤島の野犬」というお話。第二次大戦の時、軍用犬が施設におきざりにされる。やっとのこと脱出して民家に到着。人間に甘えて「くーん」と言ったら、人間は「軍用犬は狂暴、怖い!あっちに行け!」と怯えながら邪険に扱うという悲しい話。動物(軍用犬)に罪はないという事を伝えたい本だというタッカー&ケインシリーズは好き!2020/04/06
み
28
下巻では、アフリカに、ロシアもだけどアフリカも危険がいっぱい、でも、上巻と違い心強い現地の方のヘルプがありヤレヤレ。ケインさん、カッケー♪タッカーさんよりケインさんです。本編シリーズもですが、裏切り者がお約束ですね…。2021/08/27
Richard Thornburg
23
感想:★★★★ 下巻に入って、トルコから南アフリカ経由でナミビアへ入ってお目当てのブツをGET後は、アメリカ⇔カナダと目まぐるしく舞台は移り変わります。 スペツナズの執拗な追跡に悩まされ続けるタッカーなんですが、ひょんなことから味方側の裏切り者の正体が明らかに。 肉食系スナイパー(笑)的なイメージのフェリスや、人体実験を繰り返してそうな(笑)イメージのハルジンは、それなりに極悪人の感じで出てきますが、悪人サイドとしてはいささか淡白な印象。 2019/11/16