歴史新書
西郷隆盛の明治―激動の10年を追う

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  • サイズ 新書判/ページ数 192p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784800311801
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0221

出版社内容情報

なぜ、西郷の人生は暗転してしまったのか。征韓論と西南戦争以外は知られていない西郷の後半生を通じて迫る。

内容説明

迫りくる欧米列強、徳川家衰退による動乱。幕末の国難に立ち向かった男、西郷。新生日本をみごとに誕生させるが、それは悲劇の始まりでもあった。維新最大の功労者は、「賊」となった。彼は何を考え、そして何を想って死んでいったのか。

目次

プロローグ なぜ西郷は江戸城総攻撃を中止したのか
第1章 なぜ西郷は政府入りせず薩摩藩に戻ったのか―戊辰戦争の後始末
第2章 なぜ西郷は島津久光の憎しみを買ったのか―鹿児島の混乱
第3章 西郷は明治政府で何をしたのか―政府トップの苦悩
第4章 なぜ西郷は大久保利通と訣別したのか―盟友関係の突然の終わり
第5章 なぜ西郷は西南戦争を起こしたのか―朝敵への転落
第6章 なぜ西郷は人気があるのか―西郷伝説のはじまり
エピローグ 家庭での西郷はどうだったのか

著者等紹介

安藤優一郎[アンドウユウイチロウ]
1965年、千葉県生まれ。歴史家。文学博士(早稲田大学)。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業、同大学文学研究科博士後期課程満期退学。江戸をテーマとする執筆・講演活動を展開。JR東日本「大人の休日倶楽部」、東京理科大学生涯学習センターなどの生涯学習講座の講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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鉄之助

226
明治維新後の西郷の、why? を整理した”西郷本”。なぜ大久保利通と決別し、西南戦争へ向かったのか? なぜ人気があるのか? 新事実は無いけれど、「最後の10年」に絞って分かりやすく整理されている。2020/05/08

禿童子

15
西郷隆盛については多数の時代小説(司馬、海音寺、津本など)にその生涯が描かれて、大河ドラマへの登場も度重なるが、その正体がいっこうに明らかにならない「謎」の多い人物である。本書も「西郷の真意」として江戸城総攻撃中止、廃藩置県への同意、主君久光との確執などアウトラインの説明は歴史家らしく手堅いが、実像に迫ったかというと少し物足りない。人気者、人格者、陰謀家、無私の人、先見性と無計画などなど西郷を見つめる視線には「矛盾」がたくさんある。来年で明治150年らしいが手放しで祝う気にはなれない。2017/05/08

skunk_c

15
明治期の隆盛の姿を描く。徳川幕府を打倒した薩摩藩の「国父」島津久光との確執が隆盛をずっと悩ませていたこと、隠退したいのに時代がそれを許さなかったこと、そして岩倉使節団が出かけている間、土肥中心の留守政府をまとめ、改革を進めたことが一方で国内の非難を浴び、他方使節団に参加していた盟友大久保利通との溝を深めたことなどを丁寧に記述。征韓論争の評価も妥当な線かな。西南戦争についても要所を押さえつつコンパクトな記述で読みやすかった。しかしたった10年間なのに何とも密度が濃い。やはりすごい時代だったことを再確認。2017/03/24

武夫原

7
去年、京都御所に行って小御所を見学しました。ここで明治初期に「小御所会議」が行われ、徳川家に厳しい大久保らの意見が通ったことを知り、感慨深かったです。西郷も最後まで国父の態度をおもんばかることを余儀なくされ、それが悲劇的な結末になったのだと思います。西郷は幕末維新の立役者ではあったけど、桂小五郎や板垣退助、江藤新平と同じく、時代を変えるエネルギーを持っていたにも拘わらず、時代を安定させる方向への人物ではなかったのではないかと思いました。2017/05/14

すうさん

4
大河ドラマの「西郷どん」は完了した。私の中でどうしても納得いかなかった部分をこの本で補完して知ることができた。「なぜ西郷は政府入りせずに薩摩藩へ戻ったのか」や「「なぜ最後ぷは大久保利通と決別したのか」それと「なぜ西郷は西南戦争をおこしたのか」などである。西郷の生来の鷹揚な性格で敵対していた人にも愛されるのだが、そのせいで西南戦争では国賊になってしまった。武士たる西郷は本音では死に場所を探していたようにも思えた。世の中が変わるときには、価値観が180度変わるので大きなスパンで歴史を観ないといけないと思う。2018/12/19

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