出版社内容情報
定町廻り同心の渡辺源時は妹の誘拐をきっかけに、狼鬼、狐鬼、鳥鬼、蚊蜻蛉鬼……人間の姿で暮らす様々な鬼が見えるようになった。その昔、狼鬼である酒?童子が、源頼光率いる討伐隊に成敗された。その討伐隊・頼光四天王の子孫は鬼狩りが宿命となり、鬼の末裔たちと闘い続けてきた。源時は、この四天王の末裔だった。ホラー作家としてデビュー、現在人気時代小説作家として活躍する著者が、時代小説とホラーを結合させた新境地の話題作!
内容説明
人より鬼の方が多く棲む「大江戸」。鬼は人と変わらない姿で暮らしているが、大江山の酒呑童子を倒した源頼光配下の四天王の末裔たちは、鬼の本性を見分けることができるという。その末裔のひとり、南町奉行所定町廻り同心の渡辺源時は、妹が拐かされた事件をきっかけに「鬼が見える」自分に気づく…。人と同じく善悪様々な個性の鬼たちを描く、人気作家待望のふしぎな味の最新作!『この時代小説がすごい!』シリーズ。
著者等紹介
和田はつ子[ワダハツコ]
東京都生まれ。長女の小学校受験をもとに書いた『よい子できる子に明日はない』(三一書房)が橋田壽賀子氏のドラマ『お入学』の原作となり、注目を集める。ミステリー、ホラーの著作も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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初美マリン
99
童の神、を読んだばかりだったのでとても楽しく読めました。頼光の四天王の子孫と酒呑童子の鬼の子孫の闘いなのですが、鬼と人の共存、交流でほっとする時代小説です2019/04/10
アルピニア
60
4話からなる連作短編。してんのう(本作ではなぜかひらがな表記)による酒呑童子退治から数百年。その後もそれぞれの子孫の間では、戦いが続いており、鬼は姿を隠して人と共に生活しているという設定。やたらといろいろな鬼が出てくるが、鬼も真っ当に暮らしているし、悪者は人も鬼もどちらも平等に(笑)登場したし、家族や愛しい人を想う気持ちは人も鬼も同じ。「童の神」を先日読んだばかりなので、鬼についての記述も鬼目線から見たらどうだろう・・などと考えてしまった。第四話の「鬼が匂う」では、驚きの展開だったが温かい気持ちで読了。2019/04/19
はつばあば
44
人より鬼の方が多いという大江戸の話だが、鬼も人も自分に合った暮らしを望むが、お互いを相入れる度量を持たねば。ほんの息抜きの本だが、平成の世は鬼より恐ろしい「人」が住んでいた。・・などと未来の作家に書かれるかもしれない。2015/08/10
美月0217
27
大江戸は人よりも鬼の方が多いらしい。同心の源時は人の顔の裏に見える鬼が見えるようになった。源時は実は…和田はつこさんの本はあまり読むことがなかった(もしかして初めて?)けど、これは読みやすく、楽しく読めました。2015/08/28
Norico
26
突然鬼が見えるようになった同心の源時さん。なんと酒呑童子を倒した源頼光の四天王の一人、渡辺綱の子孫だった。そんな話を割とすんなり信じちゃって、狼鬼とも仲良くなっちゃう源時さんが好き(笑)。狐に狸は分かるけど、鼠に猫、鶯や時鳥なんかの鬼も人間界にたくさん混じって暮らしてるのがほのぼの。そして、一番怖いのはやっぱり人間だなぁ。2019/01/13