内容説明
活発化した梅雨前線の影響で大雨が続く東京を、突如謎のテロ組織が攻撃する。明確な他国からの侵略と断定できないなか、政府は警察権で制圧を図るが、多数の死傷者を出す。首相はついに、自衛隊の出動を決断。しかし、精鋭部隊の第1空挺団が敵の策謀にはまり、壊滅状態に―。緊急事態に、敵の正体を追う自衛隊総合情報部所属の情報官・真下は、敵が核を持ち込んでいる情報もつかみ、奔走するが…。
著者等紹介
安生正[アンジョウタダシ]
1958年生まれ。京都府京都市出身。京都大学大学院工学研究科卒。現在、建設会社勤務。第11回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、『生存者ゼロ』(宝島社)にて2013年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まちゃ
140
東アジア情勢が不安定化している昨今。某国による東京でのテロに立ち向かう自衛官と混乱する政府の対応を描いたパニック小説。日本の安全保障上の問題提起の意図が強いのか、法的根拠の説明が長くて、パニック小説本来のスピード感を損なっているように感じました。前作「生存者ゼロ」と同じようなパターンでした。2016/09/09
koba
121
★★★★☆2015/05/07
ダイ@2019.11.2~一時休止
106
テロに対抗する日本。似たようなことが起こったときに今の日本政府・自衛隊は大丈夫なのかと思わされる。2014/08/02
けい
99
安生さんの作品は2作目。前作の生存者ゼロでは、荒削りな面が目立った印象を受けていましたが、今作では前作のスピード感はそのままに、緻密かつ現実的な物語の展開が見事。日本という国が潜在的に抱えている危機管理の問題、組織内部での対立などによる意思決定のゆらぎが、現実の社会を見ているかの様でした。でも有事の際、一国のトップには本作の梶塚首相の様に熱き心で一席ぶてる人物であって欲しいなと思ってしまいました。2014/11/01
それいゆ
85
自衛隊出動のシュミレーションを体験しているかのようでした。最後に中国の大船団が尖閣諸島を実効支配しようとする場面が登場しますが、この作品は、まさにその時にはどう行動すべきかの覚悟を示唆しています。「生存者ゼロ」の方が読み応えがありましたが、戦闘シーンが延々と続くこの作品は、読むよりも映像で観てみたいです。2014/09/02