内容説明
新書、単行本、シリーズと、画期的な企画を世に送り続けた名編集者が、基礎から応用まですべてを披瀝する。急逝した著者の次代への贈物。著者の見つけ方や企画・プロットの立て方から原稿依頼の仕方まで、あるいは書名、目次、見出しのつけ方、装丁やオビの作り方などの実務的な知識から、いける本・いけない本の見分け方、出版界の見取り図、さらにはさまざまなクセありの著者との付き合い方まで、編集という仕事の奥義と全体を縦横に語った最良の教科書。
目次
1 編集者とは何か
2 ささやかな自分史
3 出版小史と出版事情
4 企画の発想法
5 原稿依頼とプロット
6 催促と読みと修正
7 チェックから入稿まで
8 装丁・タイトル・オビ
9 編集から見た販売・流通・宣伝
10 人間交際論
11 本に未来はあるか
12 著者に育てられる
著者等紹介
鷲尾賢也[ワシオケンヤ]
1944年、東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。1969年、講談社入社。「週刊現代」を振り出しに、「現代新書」編集長、PR誌「本」編集長などを経て、書き下ろしシリーズ「選書メチエ」を創刊、「現代思想の冒険者たち」(全31巻)、「日本の歴史」(全26巻)などの記念碑的な企画を世に送る。また小高賢の名で歌人としても活躍。歌集『本所両国』で第5回若山牧水賞受賞。2014年2月、脳出血により死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たけはる
7
小説の資料用に。著者の、編集や書籍にかける熱意が伝わってきて面白かった。とくに最後の「12 著者に育てられる」の章。 作家や先生方の生の姿が垣間見えてワクワクしました。とは別に、私は趣味で同人誌出してるんですが、同人活動って著者~編集者~小売まで、すべて自分でやる作業なんだなあと改めて感じました。本づくり面白いね。2019/03/19
keisuke
5
仕事に。2022/06/13
お抹茶
1
著者は講談社の元編集長。編集者にはコーディネーターという役割が不可欠で,「人たらし」で優れた人を見つけるか育てるしかない。大正時代に,マス・セールが確立し,円本ブームがあり,本や雑誌を読みたい・読める層が広がった。大手出版社が入社したい人気企業になってしまい,やりたいことや粘りが足りない編集者が増えた。編集会議は整流器で,皆で企画を練っていく。装丁は飾りではなく実用品。入門書はタイトルの激戦区で,考えるのにひどい苦労をする。人文・学芸的な本ほど編集者の修練が必要。2019/11/18