出版社内容情報
本書は、著者自らの業務経験を基にした豊富な知識により、Microsoftネットワークの動作原理を新たな視点から捉え直した画期的な解説書です。「Microsoftネットワーク」は、MS-DOS時代からの度重なる仕様拡張の結果、非常に複雑で難解にものになり、問題の究明が難しくなってしまっています。もっとも顕著なのがWindowsのデスクトップにある「ネットワークコンピュータ」アイコンの挙動で、これをクリックするとサーバや近くのコンピュータの一覧が開きます。しかし一覧が見えるにもかかわらずアクセスできないという不可解な現象があり、実際にアクセスしようとすると「ネットワークパスが見つかりません」とか「アクセスが拒否されました」というエラーに悩まされることになります。またこれとは逆に「アクセスできるのに見えない」こともあります。本書はこうした「ネットワークコンピュータ」の振る舞いを、実際に交換されるパケットの中身を確認することによって、具体的に検証し直します。Microsoftネットワークの基本的概念を「名前解決」「ブラウジング」「認証」の3つのカテゴリに分け、それぞれに適した実験用のネットワークを実際に構築し、独自の実験・調査・検証を重ねた結果、今まで明らかにされてこなかったMicrosoftネットワークの真実の姿を突き止めました。ここで得られた成果は、ときにはアンドキュメンテッドな領域にまで踏み込み、Microsoftの公式解説書である「リソースキット」の記述の間違いを補完し、今までに刊行されたどの解説書よりも詳細かつ念入りな解説となっています。つまり本書は、Microsoftネットワークの真の意味での「バイブル」として、「ネットワークコンピュータ」の挙動に悩む数多くの管理者の救世主となるでしょう。
【目次】
第1章 名前解決の基礎
1-1 NetBEUIにおける名前解決とNetBIOS名
1-2 NetBIOS名の詳細とサフィックス
1-3 NetBIOS over TCP/IP(NBT)の通信方式の基本
1-4 セグメントを越えたNBTの通信
1-5 ホスト名とコンピュータ名
1-6 IPアドレスによる通信とCIFS
本章のまとめ
第2章 複数セグメントとWINS
2-1 NBTとWINS環境
2-2 名前解決機能の拡張とノードタイプ
2-3 マルチホームマシンの注意点
2-4 WINSサーバの動作
本章のまとめ
第3章 ブラウジング機能の基本動作
3-1 ブラウジング機能の概要
3-2 ブラウジング機能から見た各マシンの役割
3-3 ブラウズリストの取得
3-4 ブラウズリストの内容
3-5 ブラウズリストへの「登録」
3-6 ブラウズリストからの「開放」
3-7 マスタブラウザの動作
3-8 マスタブラウザとバックアップブラウザ
3-9 ブラウザの選定
本章のまとめ
第4章 ブラウジング機能の応用
4-1 複数ワークグループの存在するセグメント
4-2 複数セグメントにわたって存在するワークグループ（ドメイン）
4-3 ブラウジングと名前解決
4-4 複数セグメントに存在する複数ワークグループ
4-5 別セグメントのブラウジングに関する例外事項
4-6 WINS環境とPDC
4-7 複数プロトコルの混在
4-8 マルチホーム環境
本章のまとめ
第5章 ドメインと認証機構
5-1 基本的なSMBセッションと認証の仕組み
5-2 NULLアカウントとNULLセッション
5-3 Direct Hosting of SMB
5-4 ワークグループと認証
5-5 ドメイン構成
5-6 ドメインコントローラの役割の違いと複製
5-7 PDC特有の役割
5-8 Windows 9x系OSの認証機構
本章のまとめ
第6章 ダイヤルアップ接続とトラヒックの削減
6-1 Microsoftネットワークのトラヒック
6-2 ブラウジング機能
6-3 名前解決
6-4 認証に関する考察
6-5 SMBセッションのチューニング
6-6 ライセンスサービス
6-7 プリンタサーバ
本章のまとめ
付録A Microsoftネットワークとファイアウォール
A-1 利用するポート番号
A-2 パケットのフィルタリング
A-3 NAT
A-4 ポートを開いているアプリケーションの調査方法
付録B SMBのセキュリティ
B-1 SMBセッションの認証方式の詳細
B-2 NTLMv2
B-3 SMB署名
B-4 セキュアチャネルの保護
B-5 平文パスワードの送出
付録C ネットワークモニタの紹介
C-1 ネットワークモニタの種類と入手方法
C-2 フレームのキャプチャ
C-3 パケットの表示とフィルタ
C-4 キャプチャの保存と読み込み
付録D SambaとMicrosoftネットワーク
D-1 Sambaの入手とインストール
D-2 Sambaの基本機能
D-3 Sambaの名前解決機能
D-4 Sambaのブラウジング機能
D-5 Samba独自のブラウジング機能
D-6 Sambaの認証機能
付録E その他のトピック
E-1 LMHOSTSファイルの集中管理
E-2 Winsockのsend-send-ack問題
付録F リソースキットのHotfix
F-1 「ネットワーキングガイド」のHotfix
F-2 「TCP/IPガイド」のHotfix
付録G Microsoftネットワークに関する参考文献
G-1 リソースキット
G-2 その他の書籍
G-3 電子的な情報
付録H Microsoftネットワークに関連するレジストリ
H-1 Windows NT系OSのレジストリ
H-2 Windows 9x系OSのレジストリ
付録I 関連するMicrosoft技術情報一覧
I-1 本書に登場する技術情報
I-2 その他の技術情報
内容説明
本書は、Ｍｉｃｒｏｓｏｆｔネットワークのシステム管理者やＳＥ向けに、リソースキットなどでも解説されていないＭｉｃｒｏｓｏｆｔネットワークの詳細な挙動について、著者が実際に検証を行った結果を元に解説したものである。また、Ｍｉｃｒｏｓｏｆｔネットワークの発展の経緯についての説明も行うことで、一見すると不可解な実装が、なぜそのようになっているのかも、併せて理解できるように配慮した。
目次
第１章 名前解決の基礎
第２章 複数セグメントとＷＩＮＳ
第３章 ブラウジング機能の基本動作
第４章 ブラウジング機能の応用
第５章 ドメインと認証機構
第６章 ダイヤルアップ接続とトラヒックの削減
付録（Ｍｉｃｒｏｓｏｆｔネットワークとファイアウォール；ＳＭＢのセキュリティ；ネットワークモニタの紹介；ＳａｍｂａとＭｉｃｒｏｓｏｆｔネットワーク ほか）
著者等紹介
高橋基信［タカハシモトノブ］
１９７０年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。１９９３年某業界最大手の情報サービス会社に入社。ＵＮＩＸ、Ｗｉｎｄｏｗｓ系両ＯＳを中心とした技術支援業務を行う中で、接点ともいうべきＭｉｃｒｏｓｏｆｔネットワークへの関心を深める。現在は「日本Ｓａｍｂａユーザ会」役員や「日本ＷｉｎｄｏｗｓＮＴユーザー会」のスタッフを務める
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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