インターナショナル新書<br> 明治十四年の政変

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インターナショナル新書
明治十四年の政変

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  • サイズ 新書判/ページ数 280p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784797680645
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0221

出版社内容情報

日本中が熱狂した政変の謎に迫る!

明治11(1878年)年、大久保利通が暗殺され、日本の舵取りは突如、次の世代――大隈重信、伊藤博文、井上馨、黒田清隆らに託された。
彼らに託されたのは議会開設、憲法制定、貨幣制度など、「国のかたち」を作るという難問である。
しかし、さまざまな思惑が絡み合い、政権内に不協和音が生じ、「明治十四年の政変」へと発展していく。
大隈と福沢諭吉はつながっていた? マスコミに情報をリークしたのは誰か? 黒田がなぜ政権内にとどまれたのか? 五代友厚は官有物が欲しかった? 政変の黒幕は誰なのか? 政変が近代日本に与えたものとは? 
「複雑怪奇」と呼ばれる政変にまつわる“さまざまな謎”を、気鋭の政治史学者が鮮やかに読み解く!

――「終章」より
政変の当事者たちは、幻影に突き動かされて、議会開設の主導権をめぐる政治的アリーナに担ぎ上げられた。本書で述べてきたように、明治十四年の政変には、脚本家がいなかった。大隈、伊藤、井上馨、黒田、岩倉、井上毅、福沢らは、政治的アリーナに登壇する演者の一人であった。彼らのなかには、政治的アリーナに立たされたことに自覚的でなかった者もいよう。しかし、日本国中を熱狂させたそのアリーナからは、終幕を待たずに降りることが、誰にも許されなかった。
こうしたなかにあって、伊藤の演技は巧みであり、しなやかであった。機をみるに敏であった。他方で、福沢は政治の中心におらず、大隈や岩倉、黒田も長く東京を離れていた。そう考えれば、伊藤には運もあった。演技、洞察力、運ーー「政治」には、これらの要素は欠かせない。

――目次より抜粋
序章 「最も肝要なる時間」――明治10年代という時代
維新の三傑と明治日本/三傑後の明治日本――本書の主要人物たち
第1章 三傑後の「政治」――明治11・12年
開明派三参議の台頭/積極財政の動揺
第2章 薩長の角逐――明治13年
財政論議/「国会年」としての明治13年
第3章 第二世代の分裂――明治14年前半
議会開設をめぐる政争と大隈の意見書/大隈意見書の波紋
第4章 政変――明治14年後半
開拓使官有物払下げ事件/政府内の分裂、そして政変へ
第5章 それぞれの政変後――明治15年以降
在野/政府内
終章 再・「最も肝要なる時間」――明治10年代という時代

【著者略歴】
久保田 哲(くぼた さとし)武蔵野学院大学教授。1982年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得退学。専攻は近代現代日本政治史。
著書に『帝国議会』(中公新書)、『元老院の研究』(慶應義塾大学出版会)、共著に『なぜ日本型統治システムは疲弊したのかー憲法学・政治学・行政学からのアプローチ』(ミネルヴァ書房)などがある。

内容説明

明治十一(一八七八)年、大久保利通が暗殺され、日本の舵取りは突如、次の世代―大隈重信、伊藤博文、井上馨、黒田清隆らに託された。彼らは議会開設、憲法制定、金融制度など、国のかたちと未来を決める難問に直面することとなる。しかし、政府内ではさまざまな思惑が絡み合い、不協和音が生まれ、「明治十四年の政変」へと発展していく。「複雑怪奇」と呼ばれる政変を、気鋭の政治史学者が鮮やかに読み解く!

目次

序章 「最も肝要なる時間」―明治一〇年代という時代
第1章 三傑後の「政治」―明治一一・一二年
第2章 薩長の角逐―明治一三年
第3章 第二世代の分裂―明治一四年前半
第4章 政変―明治一四年後半
第5章 それぞれの政変後―明治一五年以降
終章 再・「最も肝要なる時間」―明治一〇年代という時代

著者等紹介

久保田哲[クボタサトシ]
日本政治史学者。武蔵野学院大学教授。1982年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得退学。専攻は、近現代日本政治史。博士(法学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

67
気鋭の政治史学者の手による日本の憲政史を決めた政変の概説書。一般には大隈の早期議会開設論と黒田の開拓使官有物払下げ事件を「喧嘩両成敗」とし、かつ当時盛り上がりつつあった民間による憲法制定を牽制するため漸進的な議会開設を伊藤博文が中心になったとされるが、これに積極財政と緊縮財政の対立、薩長藩閥に対する様々な不満、民間の論客福沢諭吉の影響力などが絡んでいる様子を見事に描き出している。伊藤の立ち回りの見事さもあるが、黒子としての井上毅の動き、そして福沢の位置付けなど、「役者」揃いの政治状況で実に面白かった。2021/08/02

パトラッシュ

63
明治14年の政変は憲法制定を巡り大隈重信と他の高官の対立が原因と理解していたが、実際にはこれほど政治的思惑が錯綜していたとは。維新の三傑亡き後で西南戦争の記憶が生々しい時期、重しが取れた各派閥が主導権を争った際に財政問題がカギであったとは思いもよらなかった。これに議会開設、開拓使事件に憲法論議が絡み脚本のない暗い舞台のような政局で、伊藤博文が井上毅や松方正義をブレーンに迎えて安定への道筋を長期的な政治構想として示すことで権力を握る過程を鮮やかに描き出す。感情で動く政治も勘定高くあれと教える教科書のようだ。2021/04/06

nagoyan

14
優。非命に斃れた大久保が維新以来の十年を振り返り将来を展望した時に、明治十年代は「内治を整へ民産を殖する」最も肝要な時代になると喝破した。積極財政か消極財政か。富国が先か議会政治が先か。大久保亡きあと、薩摩、長州、大隈、福澤、在野の民権運動家らの様々なアクターが、政府部内の財政政策をめぐる対立、議会政治に対する温度差を背景に。大隈が政府から追放されたのは何故か。追い詰められた藩閥指導者が、福沢の幻影を大隈に見て、自らの政治基盤を守ろうと、呉越同舟のまま結集した。暗躍する井上毅。それだけ福澤が怖かったのか。2021/09/04

fseigojp

8
明治維新第二弾という感じ 維新の三傑なきあと、西南戦争のあとのインフレで力をえた地方名望層の台頭が、有司専制にいどむ2021/08/24

coldsurgeon

7
明治時代前半のイベントは、西南戦争で終わったと思っていた。しかし、本書が取り上げる明治14年の政変というのが、薩長閥の第2世代への世代交代を確立させ、憲法発布、国会成立への重要な時期となったことが分かった。伊藤博文が政局のバランスをとり、苦労して、権力を最終的に獲得していった過程は、興味深かった。2021/03/17

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