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パレオマニア―大英博物館からの13の旅

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  • サイズ A5判/ページ数 364p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784797670950
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0095

内容説明

ギリシャ、エジプト、インド、イラン、カナダ、イギリス、カンボディアなど、古代妄想狂を自称する男が大英博物館で気に入った収蔵品を選び、それが作られた土地を訪ねる。知的興奮に満ちた旅。

目次

ギリシャ篇(話のはじまりとギリシャの乙女;若くして死んだデロスの青年)
エジプト篇(ナイルを渡るガラスの棺;四千六百年前の船大工)
インド篇(シャカの隣に美女二人;出家のために妻を忘れる方法)
イラン篇(ホメイニが消し忘れた女;牡牛に噛みつく獅子の図)
カナダ篇(サンダーバードに導かれて;まだ立っているトーテムポール)
イギリス/ケルト篇(ケルト人はいなかった?;三度まで殺された男)
カンボディア篇(あの魅力的な微笑への旅;石と木の永遠の戦い)
ヴェトナム篇―チャンパという奇妙な国
イラク篇(過去は現在であるか;バビロンの流れのほとり;地中の宝物と発掘の原理)
トルコ篇(金属という素材の輝き;帳簿と碑文の間)〔ほか〕

著者等紹介

池沢夏樹[イケザワナツキ]
作家。1945年、北海道生まれ。埼玉大学理工学部物理学科中退。1975年より3年間ギリシャに滞在。詩作、評論から作家活動に入る。88年に発表した『スティル・ライフ』(中公文庫)により芥川賞、『母なる自然のおっぱい』により読売文学賞、『マシアス・ギリの失脚』(以上、新潮文庫)により谷崎賞を受賞。94年沖縄に移住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やっさん

21
誇大妄想ならぬ、古代狂=パレオマニアは著者の造語・自称。入り浸っている模様の大英博物館で気になった美術品を端緒として、それが発掘された遺跡を巡る紀行文。月刊PLAYBOYの連載とか。A5判2段組みで360頁の本書は文章に熱量があることもあり、慣れるまで読み進めるのに時間がかかった。ギリシャ、エジプト、インド、イラン、カナダ…と13の旅×2章に大英博物館2編の計28章。ギリシャ神殿、ピラミッド、アンコールワット等に触れながら、最後はアボリジニの物質にとらわれない精神世界への言及とは見事な構成。旅の順番通り?2020/10/04

loanmeadime

16
月刊プレイボーイ掲載ということは最初にこれを読んだ人々の頭には、魅惑的なプレイメイトの肢体が残っていたはずなので、教養主義的娯楽の書として読みました。でも、それが面白いんだなぁ。出てくる単語一つ一つに検索を繰り返すから読書としては進まない。それは、まるで大英博物館を訪れては世界各地を旅する作者のミニチュアのよう。富裕層の象徴のような高層ビルだけを破壊し、長周期地震動に関する関心のきっかけとなった、ミチョアカン地震が浅い湖を埋め立てたスペイン人に対する歴史的報復という記述にびっくりしました。2023/11/22

ジュースの素

6
大英博物館に展示されている中から その土地を旅してみる話。 自分の事なのに「男は・・・」と三人称の扱いなのが気になった。当博物館で一番充実しているのがエジプト関連だと書かれているが 私もそう思う。「何千年後にも残るなど考えないで作られたものたち、人間はその日暮らしに堕ちた」とあるが なるほどそうだなぁ・・・。2015/03/09

plum

6
展示を見終わって呆然と座り込むような経験は私にはない。古代好き感受性豊かな著者は「心惹かれる大英博物館展示品を作った人たちはどうなったのか」問う旅に出た。数千年前の人がどう生きたか遺跡は語らない。大事なのはどう生きたか(幸福であること,よく生きること)だ。時空を旅して,都市と文明と自然の関係を再考する必要があることに思い至る。たとえば比較からは,ギリシャの芸術に対して,エジプトのデザイン的な処理,いわゆる職人の世界がみえてくる。エジプトは悠然と流れる河の流れに帆を掲げた幾多の舟が行きかう世界だったのだ。2014/12/16

Maumim

5
「イスファハンという地名を聞いて、なんと美しい響きだろうと思った。響かせるために大事なのは並んで出てくる「ファ」と「ハ」をきちんと発音しわけることだ」 「世界のグローバル化が進む今、英語が事実上の世界語になってゆく過程を見ていると、人間はまたバベルの塔を造って天に至ろうとしているのか、と男は考える」 「時の経過は悪事のとげとげした角を丸め、中に隠された意味を次の世代に届ける。これを利用するのが時効という現実主義的な制度だ。検証はするし再発の防止には努めるが、責任の追及と贖罪はいいことにして、前へ出よう」 2015/09/10

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